体重は897グラム…予定日よりも3カ月以上早く生まれた娘 初めての抱っこに母になったと実感 体験を絵本に 小さく産まれた子どもと家族の会「一歩」代表の川満さん
2025/03/11/11:30
6年前の2019年2月5日、上尾市在住の看護師川満ひとみさん(39)は次女の夏歩ちゃんを出産した。予定日よりも3カ月以上早く生まれた897グラムの小さな赤ちゃん、リトルベビー(超低出生体重児)だった。
保育器の中でたくさんの管につながれ、必死に生きようとするわが子を見守ることしかできず「なんて無力なんだろう」と自分を責めた。「ずっと一緒にいてあげたい」「明日も無事に会えますように」「ごめんね」…。そんなさまざまな思いを抱えて過ごした日々に一筋の光が差したのが桜の咲くころ。初めての抱っこに「やっと母になったことを実感できた」。
先月、アマゾンから出版した「さくらの咲くころに~あなたがくれた宝物~」(ペーパーバック1100円税込み、Kindle版あり)は、その時の大切な体験を書いた本。ペンネーム「くものなか」は子育て中の不安、大変さを真っ白で何も見えない雲の中に例えている。「現実は思い通りにいかなくて、雲の中にいるよう。でも振り返ると、あんなこともあったねと笑える日がきっと来る」。それは、今一生懸命頑張っているママたちに向けたメッセージだ。
自身が雲の中のような日々を送っている時に、会員制交流サイト(SNS)で仲間を探し、つながりを求めた。同じような思いの人たちと知り合い、力が湧いた。市内で開かれた子育てイベントで話す機会もあり、その反響に驚いた。「私の経験は、人に影響を与えるんだ」と気付いた。そして夏歩ちゃんが1歳の時、リトルベビーの家族会「小さく産まれた子どもと家族の会『一歩』」を結成。現在、交流会や写真展などの活動を続けている。