【東京ウオッチ】50年の時を超え“私たち”の答え―国際女性デーに寄せて、アニエスベーギャラリーで展覧会 いまのTokyoをつかむイベント情報(15日~23日)
◎今週の一推しイベント
【15日(土)】
▽「わたしたちの返事:1975―2025」(~23日、港区・アニエスベー ギャラリー ブティック、入場無料)
国連が1975年に定めた3月8日の「国際女性デー」に寄せて、フェミニズム運動で知られるフランスの映画監督アニエス・ヴァルダさんが同年制作した短編映画「女性たちの返事:私たちの体、私たちの性」を巡る展覧会が、青山で開催されている。
この映画を見た20~40代のアーティスト3人と1組のパフォーマンス集団が、ヴァルダさんの“問いかけ”に呼応。自己の身体やアイデンティティーを作品に映し出し、未来へ問いかける。
作家で漫画家の小林エリカさんは、自身の経験を基に「女性の体から流れる血」を映像で表現。「40歳を前に子宮の病気で月経がなくなり、体に流れる血を意識するようになった」といい、「今も昔も戦時下の女性たちは、爆弾が落ち人々が血を流す中、月経の血の煩わしさを抱えて死と向き合わなければならない」と思いを巡らせた。
ヴァルダ作品に出演する女性たちは口々に、性差による社会的役割の押しつけに対し、異議を唱える。「こうした“個”の表現の積み重ねが、性加害を告発する人を支援できる今の社会をつくってきたのではないか」
ルーマニア人の父と日本人の母を持つ美術家のスクリプカリウ落合安奈さんは、ミックスルーツの葛藤と可能性を映像や写真作品に込め、「世界では多様性否定の動きが再び始まっているが、平等のための発言を諦めてはいけない」と訴えた。
義足のアーティスト・片山真理さんは偏見の根強さに抵抗しつつ、自由であることの軽やかさを放つ自身を被写体とした写真など6点を展示。メンバーがさまざまな体形やバックグラウンドを持つ「東京QQQ」の集合写真からは、少数者への共感が伝わってくる。
○そのほかのお薦めイベント
【15日(土)】
▽「渋谷ファッションウィーク2025春」(~23日、渋谷区、入場無料)
渋谷からファッションを発信するイベント「渋谷ファッションウィーク」が始まった。今春は「CULTIVATE(育てる)」をコンセプトに“多様な文化”に焦点を当て、アートやカルチャーの催しを大きく展開している。
休館中のBunkamuraを開放して、アーティストたちが「街(ストリート)」をテーマに都市の変容をひもとく作品を紹介。地下1階の吹き抜けスペースには、アートチーム「サイドコア(SIDE CORE)」が工事現場で使う資材や照明を利用した大型インスタレーション「rode work shibuya」を展示した。むき出しの外壁を生かした大山エンリコイサムさんによる巨大壁画は街の景観に変化を与えている。
アートディレクターの千原徹也さんは、期間限定ポップアップショップ「ARIGATO SHIBUYA」(14~16日、西武渋谷店)を開催する。編集者の米原康正さんらクリエーターが参加し、1990年代の渋谷カルチャーを巡る音楽やファッションなどのイベントを展開。千原さんは「僕が監督した映画に小沢健二さんの曲を使うほど、90年代の渋谷が生み出したアーティストや文化、街並みをリスペクトしている。その価値を見直し、変わりゆく渋谷に生かすことを皆で考えていきたい」と話した。
大型商業施設や路面店約100店舗が参画する「THE SHOPPING」では、特別な買い物体験が楽しめる。
▽「ル・ジャルダン・ドゥ・ツイード(LE JARDIN DE TWEED)」(中央区)
シャネル銀座ビルディング屋上のテラスカフェが、2025年の営業を始めた。
フランス語で“ツイードの庭”を意味するカフェは、シャネルを象徴するツイード柄を模して刈り込んだ草木に囲まれた空間。テラスで過ごしやすい3月から11月まで、ドリンクやスイーツ、フードを提供している。
同ビル内のフレンチレストラン「ベージュ アラン・デュカス 東京」のデザート「カレ・シャネル」がティータイムに味わえる。ココ・シャネルをイメージしたシャンパーニュカクテル「ココ」も用意。パリの街角にいるようなひと時を過ごせるだろう。
▽「マルベリー POP UP SHOP」(~18日、中央区)
英国のファッションブランド「マルベリー」のバッグを紹介するポップアップショップが、銀座三越で開かれている。
ブランドの理念「Made to Last(長く使える、確かなつくり)」を体現した最新コレクションなどを展開。北ロンドンの活気ある地区にインスパイアされた「ミニ イズリントン バケット」、シュールレアリスムに着想を得た「ラナ トップハンドル」を紹介している。
熟練職人によってリメークされた貴重な一点ものバッグ「Pre―Loved コレクション」も並ぶ。循環型経済支援プログラムの一環として、使いこんだバッグを専門的に鑑定、修復した商品だ。英国ならではの遊び心と創造性、文化に触れる機会となるだろう。
▽「国際女性デー関連企画 高橋美香さんスライドトーク パレスチナの『家族』とわたし」(14時、中央区、入場無料、事前申し込み制)
パレスチナに20年以上通い、現地の家族の姿を撮り続ける写真家の高橋美香さんのトークショーが、中央区立男女平等センターで開催される。
撮影した画像をスライドで紹介しながら、ニュースが伝えない軍事侵攻下に生きる人々の暮らしを伝える。パレスチナの日常の「いとなみ」を身近に感じ、平和を守る大切さを共に考えたい。