人気!本が読める焼き芋屋 深谷で地域の居場所に 焼き芋は「べにはるか」中心に冬季限定 ドリンクは季節ごと、焼き芋スムージーは通年用意
2025/03/15/10:57
深谷市人見の本が読める焼き芋屋「UBUHI(うぶひ)」が人気だ。長年教育現場で働いた清水久仁子さん(65)、隆さん(68)夫妻は、親から受け継いだ土地や読みためた本を活用して、子どもや大人、お年寄りも立ち寄れる地域の居場所をつくろうと決意。実家の納屋を改装し、畑で野菜を作り、焼き芋と本を組み合わせた。
店名は、隆さんが小学校長時代に子どもたちへ伝えていた三つの約束「U=うそをつかない」「BU=ぶたない」「HI=ひとを大切にする」から付けた。地域の人々が互いに支え合い誠実に生きることの大切さの象徴として、「地域の誰もが立ち寄れる居場所を」という思いが込められている。
冬季限定で販売する焼き芋は、「べにはるか」を中心に、遠赤外線でじっくり焼き上げたしっとり濃密な味わいが特徴。通年用意する保存料不使用の「焼き芋スムージー」、ドリンクメニューは季節ごとに提供している。
店内には靴を脱いで上がるスペースがあり、壁一面に家族が読みためた小説や全集、図鑑、漫画などがずらり。「誰でも自由に。本を読んだり焼き芋を食べたり、宿題やおしゃべりなど自由な時間を過ごしてほしい」と清水夫妻。中には「○○の部屋」と書かれた棚があり、藤沢周平シリーズ、科学の部屋、昆虫図鑑、建築系、楽しい絵本など個性豊かな寄贈本が「シェア本棚」として並んでいる。
地域との関わりも大切にしている。小学生が宿題を持ってきたり、近所の人が散歩の途中で立ち寄ったり。店の隣にある畑では、育てた野菜の収穫体験に家族連れや学生が参加してにぎやかな一日を過ごしていく。
清水夫妻は「無理なく続けていきたい」と語りつつ、「お店を通じて人とのつながりが広がることが何よりうれしい」と話す。午前11時~午後6時。水・木・日曜、祝日休み。