埼玉新聞

 

空を舞うしゃぼん玉、園児ら夢中で追いかける 「プロシャボラー」のショーに大喜び 新型コロナの影響で減ったイベント…園児らに楽しい思い出を さいたまの幼稚園、卒園祝いにプレゼント

  • 大きなしゃぼん玉を楽しむ園児たち

    大きなしゃぼん玉を楽しむ園児たち=6日、与野幼稚園

  • 大きなしゃぼん玉を楽しむ園児たち
  • 自作の道具でしゃぼん玉を次々と作り出す、しゃぼたあわおさん

 卒園する子どもたちに楽しい思い出を―。さいたま市中央区の与野幼稚園で、園児への卒園祝いとして、PTAがしゃぼん玉ショーをプレゼントした。全国各地でパフォーマンスを披露する、しゃぼたあわおさん(49)=京都市=の手によって生み出された無数のしゃぼん玉が空を舞うと、子どもたちは夢中で追いかけた。

 卒園祝いとしてのしゃぼん玉パフォーマンスを発案したのは、PTA副会長の滝沢由宇樹さん(40)。昨夏、しゃぼたさんの交流サイト(SNS)に掲載された写真に引き込まれ、「新型コロナの影響で幼稚園のイベントも減っていた子どもたちに、楽しい思い出をつくってあげたい」と思い立った。園内バザーを開くなど、保護者にも協力を呼びかけ、6日の卒園お祝い会でのパフォーマンス披露が決定した。

 待ちに待った当日、強風が吹く中、しゃぼたさんは苦労しながらも、大小さまざまなしゃぼん玉を次々と作り出していく。しゃぼん玉は風に舞い上がり、まるで桜吹雪のような光景に。「すごい!」「天才だ!」。園児たちは大喜びしながら、しゃぼん玉を追いかけていた。

 年長の木村光里ちゃん(6)は「雪だるまみたいな形のしゃぼん玉や、しゃぼん玉の中に別のしゃぼん玉が入っているものもあった。たくさんさわれた」と笑顔。そんな園児たちの様子を見て、滝沢さんも「予想以上に喜んでくれた」とうれしそうにしていた。

■しゃぼん玉のプロに

 しゃぼたさんがしゃぼん玉パフォーマンスを始めたのは、新型コロナが流行していた5年前。当時小学3年生だった長女と京都市内の公園でしゃぼん玉をしていると、子どもたちが集まってきた。楽しそうにしゃぼん玉を追いかける様子を見て、人を笑顔にできるしゃぼん玉の可能性に気付いたという。

 釣りざおやプラスチックチェーン、布などを組み合わせた道具を自作し、極めていった。長く空を舞う大きなしゃぼん玉を作ろうと、改良を続けたしゃぼん玉液は、完成までに1年半を要した。

 活動が徐々に軌道に乗り、2022年末に20年以上勤めた会社を退職。翌年から「プロシャボラー」としての活動を開始した。保育園や幼稚園、地域の祭りなど、全国各地から声がかかる。

 最近は、能登半島地震で被災した石川県輪島市の保育園やタイの孤児院を訪れ、ボランティアとしてしゃぼん玉パフォーマンスを披露したりもしている。

 しゃぼん玉を追いかけて全力で駆け回る子どもたちの姿を見て、しゃぼたさんは「こちらも元気をもらえる。一人でも多くの人に喜んでもらえるように、パフォーマンスを追求していきたい」と話していた。

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