埼玉新聞

 

アイドルグループが一日警察署長、イベントで殺人事件の捜査を体験 適切な110番利用を呼び掛け

  • 死体役(手前)の状況を見て捜査する「いちごみるく色に染まりたい。」のメンバー=9日午前、西入間署

 昨年1~11月に県警が受理した110番通報は58万4911件で、前年同期より2万859件多かったことが9日までに、県警のまとめで分かった。いたずらや間違い、各種照会など不要不急の通報は前年同期比5236件増の10万4986件で、全体の17・9%を占めた。

 県警は1月10日の「110番の日」に合わせて県内各所で啓発キャンペーンを開催。110番の適正な利用を呼び掛けている。

 適切な110番利用を呼び掛けようと、西入間署は9日、女性アイドルグループ「いちごみるく色に染まりたい。」の5人に一日警察署長を委嘱し、110番の日にちなんだイベントを行った。

 イベントは殺人事件が起きたと想定し、メンバー5人が捜査を体験。西入間署内に残された死体役の状況や関係者役の署員に聞き込みを行い、犯人を推理した。

 捜査の結果、坂戸市役所にヒントがあることをつかんだメンバーは市役所へ移動。聞き込みを行って犯人を絞り込むと、今度は東武線坂戸駅で駅職員に聞き込みをし、犯人が向かった商業施設で無事に犯人を逮捕した。

 メンバーは捜査の途中に立ち寄った坂戸市役所や坂戸駅で適切な110番の通報を利用客らに呼び掛けた。

 メンバーの一人で、さいたま市出身の大場美優佳さん(18)は「自分たちで考え、手掛かりを探して捜査する体験ができて良かった。イベントを通じて、110番のいたずら電話は駄目だということが伝われば」と笑顔で振り返った。

 西入間署の小川英規署長は「110番は一刻を争うような事件や事故のための通報。相談事などは#9110の利用や交番などへ直接の相談をお願いしたい」と話していた。

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