児童ポルノや自画撮り…SNS通じた子どもの性犯罪被害が増加、過去最多に 県警がまとめ、注意呼び掛け
県内で昨年1年間、会員制交流サイト(SNS)を通じて性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子どもは126人で、統計がある2008年以降で過去最多となったことが、県警のまとめで分かった。児童ポルノ事件の摘発や、自分の裸などを撮影して送る「自画撮り」被害に遭う子どもも増加しており、県警はSNSやスマートフォンの適正利用を呼び掛けている。
県警少年捜査課によると、SNSに起因する被害児童は前年より25人(24・8%)増加。罪種別では、深夜の連れ回しや淫行などの県青少年健全育成条例違反が54人(42・9%)で最多。児童買春・ポルノ禁止法違反のうち、自画撮り被害を含む児童ポルノが50人(39・7%)、金銭を渡してみだらな行為をする児童買春が12人(9・5%)で合わせて9割以上を占めた。
学識別では高校生が最多の72人(57・1%)、中学生が45人(35・7%)で、小学生も4人(3・2%)いた。SNSの種類別では、判明した限りで「ツイッター」が36人と最も多かった。
県警が摘発した児童ポルノ事件は前年比15件(12・6%)増の134件で、児童買春・ポルノ禁止法が施行された1999年以降で最多となった。摘発された人数も前年より11人(14・3%)多い88人で過去最多だった。
134件のうち、子どもの裸を撮影する「製造」が最も多い91件で全体の67・9%。他は子どもの裸の画像を保有する「所持」が24件、グループで画像を共有するなどの「提供」が14件、「陳列」が5件だった。
児童ポルノの被害に遭った子どもの数は前年比11人(11・8%)減の82人だったものの、そのうち自画撮り被害は38人で前年より4人増えた。割合としては全体の46・3%に当たり、前年から9・7ポイント上昇。依然として自画撮り被害に遭う子どもは後を絶たない。82人を学識別にみると、高校生が39人(47・6%)で最多。中学生は32人(39%)で、小学生以下も10人(12・2%)いた。
同課は「面と向かって話すのではなく、ネット空間でのやりとりは相手がどんな人か分からないので注意が必要。自画撮りで一度画像が拡散すると消去や削除は難しい」と指摘。「保護者や大人が関心を持ってSNSやスマホ利用の危険性を子どもに指導、助言してほしい」としている。