埼玉県東部を中心に2月24～26日に12件連続発生したひったくり事件で、その一部に関与したとして、県警捜査3課などの合同捜査班は19日、窃盗の疑いで、いずれも春日部市南中曽根、自称解体工の男（30）と、無職の男（20）を逮捕した。事件を巡り、これまでに少年（16）が逮捕されていた。県警はほかの事件にも関与している可能性があるとみて捜査を継続している。

　逮捕容疑は共謀の上、2月24日午後10時55分ごろ、さいたま市岩槻区岩槻の路上で、自転車で通行していた女性（43）の後ろからバイクで近づき、追い抜きざまに前籠にあった食料品が入った紙袋（計2千円相当）をひったくった疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。

　捜査3課によると、3人は知人関係。30歳男と20歳男は同居しており、県警に別件で逮捕されていた。防犯カメラなどの捜査で犯行が特定された。3人は車にバイクを積んで現場付近まで向かい、うち2人がバイクを2人乗りして犯行し、再びバイクを車に積み逃走していた。

　県東部を中心に越谷、さいたま、草加、三郷、幸手、久喜市の6市では2月24～26日、2人乗りのバイクによる追い抜きざまのひったくり事件が相次いでおり、県警が捜査していた。

■4件連続（以下、2月26日の被害時の記事）

　2月26日夜、埼玉県幸手市や久喜市、さいたま市北区で、4件のひったくり事件が発生した。いずれも犯人は黒っぽいバイクに乗車し、手口や犯人の特徴が似ていることなどから、県警は関連を調べている。

　同日午後7時半ごろ、幸手市栄の歩道で、自転車で帰宅途中だった市内の男性（71）が、後ろからバイクで近づいてきた何者かに、前籠のリュックサック（現金約1万円など在中）をひったくられた。

　午後7時55分ごろには久喜市吉羽2丁目の県道で、自転車で帰宅途中の市内のアルバイト女性（40）が、後ろから近付いてきたバイクの2人組に、後ろ籠のリュックサック（現金約8万円など在中）をひったくられた。その約3分後、今度は約900メートル離れた同市久喜東1丁目の市道で、自転車で帰宅途中の市内の女性会社員（23）が、同様の手口で前籠のリュックサック（現金約5万円など在中）をひったくられた。

　また約1時間半後には、さいたま市北区宮原町2丁目で、自転車で帰宅途中だった男性（28）が左後方から近づいてきたバイクの2人組に、前籠のリュックサック（現金約1万円など在中）をひったくられた。

　県内では24日夜から、県南部を中心に計12件のひったくり事件が発生。県警は同一犯の可能性も視野に捜査している。

■5件連続（以下、2月25日の被害時の記事）

　2月25日夜、越谷市など県東部で2人乗りバイクの男による5件の連続ひったくり事件が発生した。越谷の現場は半径約2・5キロ以内と近く、手口や特徴も似ていることから、越谷署は同一犯の可能性もあるとみて捜査している。

　同署によると、25日午後6時半ごろ、同市レイクタウン2丁目大芝生広場南側の歩道で、自転車で帰宅途中の市内の女性会社員（40）が、後ろから近づいてきた2人乗りバイクの若い男に、前籠から現金1万円入りの財布などが入ったリュックサックをひったくられた。約20分後と約35分後にも、自転車で帰宅途中の男女が黒っぽい服装の2人乗りバイクの男に、手帳などの入ったバッグをひったくられた。

　同日午後8時15分ごろには三郷市で、午後9時半ごろには草加市で、黒っぽい服の2人乗りバイクによるひったくり事件が各1件発生した。

　24日夜には、さいたま市見沼区と岩槻区で3件のひったくりが発生。2人乗りバイクや手口などから、県警は関連を視野に捜査を進めている。

■3件連続（以下、2月24日の被害時の記事）

　2月24日午後10時5分ごろから同55分ごろにかけて、さいたま市見沼区と岩槻区で、2人組のバイクによるひったくりの被害が3件連続発生した。

　大宮東署によると、24日午後10時5分ごろ、見沼区春野4丁目の路上で、自転車で帰宅途中の女性（43）が右後方から近づいてきたバイクの2人組に、前籠から食料品などが入っていたビニール袋を盗まれそうになった。

　午後10時10分ごろには、直線で約900メートル離れた同区深作2丁目の路上で、自転車で帰宅途中の男子中学生（14）が左後方から近づいてきたバイクの2人組に、後ろ籠に入っていたテキストなどが入っていたリュックサックをひったくられた。黒っぽいバイクに乗り、2人とも20歳前後の男で黒色のヘルメット、黒色のジャンパー姿。1人は痩せ形で、もう1人は中肉だった。

　岩槻署によると、同日午後10時55分ごろ、深作2丁目の現場から直線で約1・2キロ離れた同市岩槻区岩槻の路上で、自転車の女性（43）が、バイクの2人組に、前籠から食料品などが入ったビニール袋をひったくられた。

　発生場所はいずれも人通りの少ない住宅街で、犯行の時間帯や2人の特徴から、両署は同一犯の可能性も視野に、窃盗、窃盗未遂事件として捜査している。