埼玉新聞

 

大宮の盆栽美術館、あす21日リニューアル 庭園中央の池は山の上流をイメージ、「湧き水が流れる池」に様変わり 盆栽を魅せる美術館、一番の見せどころは…水面に映し出される五葉松

  • 庭園が整備され、新しくなった池に映し出される盆栽

 大宮盆栽村の開村100周年に合わせて、さいたま市北区の大宮盆栽美術館(清水一郎館長)が21日、「盆栽を魅せる美術館」としてリニューアルオープンする。庭園内に山の湧き水をイメージした池を整備。貴重な盆栽と共に、園内のさまざまな場所から四季折々の鑑賞が楽しめるよう演出、展示が行われる。

 同館は、夏の猛暑で傷んだ盆栽と訪れる人の暑さ対策のため、昨年11月から休館して、庭園改修を行ってきた。庭園面積は930平方メートルで、改修費用は約2500万円。

 今回大きく変わったのは、庭園の中央に設けられた池。70平方メートルから110平方メートルに拡張。流水システムを導入し、これまでの「ため池」から「山の上流をイメージした湧き水が流れる池」に様変わりした。ミストを設置し、夏場の涼しさも創出。周りには季節ごとの盆栽を展示、周囲の園路やロビー、2階テラスなどから多角的に鑑賞できる。

 池の静水部分は鏡面池としてデザインされ、五葉松「青龍」(推定樹齢350年)を真ん中に配置。水面に現れた巨竜が頭を上げて空に昇ろうとしている造形が、水の鏡面に映し出される。リニューアルの一番の見せどころ。金子淳一副館長(56)は「市民の皆さんに自分の家のように思ってもらいたい。四季ごとにリピートして盆栽を楽しんでもらえれば」と話している。

 同館は2010年3月、世界初の公立盆栽美術館として開館。市の伝統産業に指定されている「大宮の盆栽」のほか、盆器や水石、絵画資料、歴史・民俗資料などを収集、公開して、盆栽文化を国内外に発信している。1日の平均来館者数は約200人で土日祝日は倍増。外国人来場者は年間8千人。年間を通して7人に1人が外国人となっている。

 現在ロビーでは、市立土呂中学校美術科授業とコラボした展覧会「万才・溢彩・BONSAI」を開催中。生徒が盆栽をモチーフに制作したペーパークラフト作品36点が展示されている。また4月4~23日まで、100周年記念企画展「第34回作家展~けやきが繋(つな)ぐ100年の物語~」も開催予定。

 同館の開館時間は午前9時~午後4時半。木曜休館。観覧料は一般310円、高大生・65歳以上150円、小中学生100円。

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