<安倍氏死去>街頭演説中に銃撃…「頭が真っ白に」埼玉県内政界にも衝撃 悲しみ、怒りの声
8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で参院選の街頭演説をしていた自民党の安倍晋三元首相(67)が銃撃された。安倍氏は救急搬送されたが心肺停止状態で、自民党関係者によると、同日午後に死亡した。奈良県警は元海上自衛隊員の職業不詳山上徹也容疑者(41)=奈良市大宮町3丁目=を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、銃も押収した。県警によると、山上容疑者は「元首相の政治信条に対する恨みではない」と供述。県警は動機の解明を進める。
■悔しさ、悲しみ、怒り…県内政界
安倍元首相の突然の訃報に県内政界からは悲しみと怒りの声が聞かれた。
自民県連の柴山昌彦会長は「事件の報を受けた時は、頭が真っ白になるほどの衝撃を受けた。安倍元総理は私が補欠選挙に出馬した時の幹事長で、指南役であり、政治の師でもある。まだまだご指導いただけると信じていただけに残念でならない」とコメントした。
公明の西田実仁氏は交流サイト(SNS)で「生前、大変にお世話になっただけに、悔しく、また残念でなりません。自由な言論を暴力により封殺する卑劣な行為には断じて屈しません」と表明した。
上田清司氏の選対委員長の醍醐清県議は「ご逝去を心より悼む。選挙運動の自粛も理解できないわけではないが、選挙は各政党や候補者が政策や思いを伝え、国民が政治参加できる貴重な機会であることを踏まえ、ひるまず選挙運動を続ける」とコメントした。
立民の高木真理氏は「暴力に訴えることは本当にあってはならないこと。暴力で解決しようとすることを社会は許さず、あらゆる努力をしなければ。政治に発言すること自体が怖くなってしまう人もいると思う」と懸念を示した。
維新の馬場伸幸共同代表は「安倍氏は戦後日本の課題を一歩ずつ片付けた人物で、維新は高く評価しており、日本の宝だと思う。街頭演説は有権者の近くでの訴えを心がけるものであり、そこで襲撃するのはひきょうだ」と話した。
共産の梅村早江子氏はSNSで「自由な言論をテロで封殺することは民主主義に対する重大な挑戦であり許せない。この選挙で私たちは最後まで訴え抜く。暴力に民主主義が屈した形になってはいけない」と発信した。
れいわは党のSNSで「自由な論戦が最も保障されなければならない選挙期間の今回の事件は、言論と政治活動を封じるものであり許されない」とコメントを発表した。
大野元裕知事は「安倍元首相は歴代最長の連続在任期間中、新型コロナウイルスへの対応など難局に真摯(しんし)に取り組んでこられた。これまでのさまざまな御功績に対して、心から敬意を表したい」とコメントを発表した。
さいたま市の清水勇人市長は「史上最長の在職期間中、多くの功績を残されました。心からご冥福をお祈りいたします」とのコメントを出した。