市内循環バスに電気バス導入 埼玉・上尾 市役所でお披露目式 4月から運賃は一律200円に値上げも 便数は96便から117便に増便
上尾市は、市内循環バス「ぐるっとくん」に4月1日から新たに電気(EV)バスを導入する。本格運行を前に14日、お披露目式を開催し、市民らを乗せて、上尾市役所周辺を約10分間走行した。
導入されるEVバスは協同バスと丸建つばさ交通の2社が所有する車両6台。車いすを含む座席11~14席で、乗車定員は36~37人。運行コースは、協同バスが大石桶川線など4路線、丸建つばさ交通が原市平塚循環など3路線となる。市は、災害時の非常用電源活用などについても今後、協定締結を視野に入れて検討していく。
お披露目式では、両社のそれぞれ異なるメーカーの車両が1台ずつ披露された。協同バスの鈴木貴大社長は「決まった距離を走る公共の働く車には、電気自動車が最適。走行中に排気ガスを出さないゼロエミッション」と車両の特徴を説明。丸建つばさ交通の斉藤清和社長は「事務所のソーラーパネルで電気をつくり、夜バスに充電する。フル充電で180キロ走行する」とエコと効率の良さを強調した。
式後に体験乗車した畠山稔市長は「まるで電車に乗っているよう。乗り降りも楽」と快適さをアピール。隣に座った市内仲町在住の本間想くん(5)は、「バス大好き。楽しい」とごきげんな様子でにっこり。母親の由佳さんも「広報で見て、乗ってみたいと思った。こんなに静かで揺れも感じないなんて」と親子で体験乗車を楽しんでいた。
ぐるっとくんは、JR上尾駅を発着するコミュニティーバスで、現在9路線が運行されている。2025年度から、これまでの96便を117便に増便し、運賃を一律200円(小学生100円)に値上げする。ただし、75歳以上の市民には「高齢者特別乗車証」を発行。乗車時に提示すると100円の割引料金が適用される。
市交通防犯課では「燃料の高騰による収支率や民間事業者の路線バスとの料金格差を解消し、双方で共存するための策」としている。