埼玉新聞

 

<参院選>安倍氏死去に涙いっぱいの自民・関口氏、暴力に屈しない姿勢で当選「安倍氏に良い報告できた」

  • 支持者らと万歳をする関口昌一氏(中央)=10日午後8時過ぎ、さいたま市浦和区の事務所

 参院選が10日、投開票された。改選議席が1増えた4議席を史上最多の15人で争った埼玉選挙区は、自民、公明、無所属の現職3人と、立民の新人1人が当選した。新型コロナの対応や、ウクライナ侵攻に端を発した物価高、憲法改正などが争点になった選挙戦だったが、安倍晋三元首相が最終盤に凶弾に倒れるという異例の事態が発生した。有権者の関心は高まり、投票率は前回よりも上昇。維新の健闘もあり、予想以上の接戦になった4議席目の判明は深夜までもつれた。

■「安倍氏に良い報告」銃撃事件受け事務所で/関口昌一氏(自現)

 自民現職の関口昌一氏(69)は、投票が締め切られた直後の午後8時過ぎに早々と当選確実が報じられると、埼玉県さいたま市浦和区の選挙事務所で静かに一報を待っていた陣営関係者から大きな拍手が響いた。関口氏は両手を高く上げ、詰めかけた支持者たちと万歳をして祝い、「多くの課題がある中で参院議員として取り組む姿を見ていてほしいと思う」と話した。

 選挙戦は幅広い年齢層からの安定した支持を得て、序盤から優位に進めた。しかし最終盤の8日、安倍晋三元首相の銃撃事件が発生。直後から予定を全て中止したものの、9日の最終日は「暴力の圧力には屈しない」と最後まで県民に訴え続けた。事件について「事件は涙、涙でいっぱいだった。(安倍元首相に)良い報告ができた」と喜んだ。

 党参院議員会長として自民候補者全員の先頭に立ち戦った。新型コロナウイルス、ロシアのウクライナ軍事侵攻、物価高、エネルギー問題などの多岐にわたる課題解決のため「政権を安定させることが大事」と強調。岸田文雄首相や大野元裕知事らも応援に入って、着実に支持を固めた。

 安倍元首相の訃報から2日。急転直下、異例の最終盤になったものの、手堅く5選を果たし、「支持者にお礼を申し上げたい」と感謝した。

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