「薬剤耐性菌」も“顔認証” 形で見分け、太く短く変化
2025/03/22/15:55
抗生物質が効かず世界的に問題視される「薬剤耐性」を持った大腸菌は、元々の菌に比べて太く、短い見た目に変化していることが分かったと大阪大などのチームが22日までに発表した。顔認証のように菌の“顔つき”から耐性菌を高精度で見分けることにも成功、阪大の西野邦彦教授は「耐性をすぐに判断できれば、適切な薬を選択しやすくなる」としている。
ペニシリンをはじめとして数々の抗生物質が感染症の治療のために使われてきたが、誤った使用により、薬が効かない菌が出現。英国政府の要請で経済学者らがまとめたリポートでは、何も対策をとらなければ2050年には世界で年間1千万人が亡くなると推計、問題となっている。
チームは10種類の抗生物質にそれぞれ触れさせ、耐性を獲得した大腸菌を用意。光学顕微鏡で撮影し、輪郭を抜き出して、面積や円周など10の要素を測定した。
元々の菌と形を比べたところ、「β―ラクタム系」と「キノロン系」という2種の薬に対する耐性を持つ菌が、形状が太く短く変化し、大きく形が異なっていることが分かった。