自殺を図った立てこもり男…弁護士「人質女性は部屋から出られた」 懲役20年求刑、男「裁判公平でない」
2022/07/13/00:00
昨年6月、さいたま市大宮区のインターネットカフェ店の個室で20代女性従業員を人質にして立てこもり、けがをさせたとして、逮捕監禁致傷などの罪に問われた、住居不定無職の男(41)の裁判員裁判の論告求刑公判が12日、さいたま地裁(佐々木一夫裁判長)で開かれた。検察側は「過去に類を見ないほどの悪質な犯行」などとして懲役20年を求刑。弁護側は懲役5年が妥当とし、結審した。判決は20日。
検察側は論告で、女性を個室に誘い入れた行為などについて「狡猾(こうかつ)な手口」と指摘。その後、女性の首を結束バンドで絞めるなどした行動は「悪質極まりない犯行だ」と述べた。
また、男と女性従業員の主張の一部が異なっている点について、「被告人の弁解は全く信用できない。不自然、不本意な弁解で反省も見えない」と非難した。
弁護側は、男が自殺を図っており、「個室から出ていくことは可能だった」などと主張した。
男は、佐々木裁判長から最後に言いたいことを問われると、「公平な裁判が行われていない」などと話した。
起訴状などによると、男は昨年6月17日、さいたま市大宮区のインターネットカフェ店にカッターナイフや結束バンドなどを所持して来店。同店の女性従業員を個室内に誘い入れ、同日午後2時23分ごろから約32時間、女性従業員を不法に監禁し、首や顔などに約2週間のけがを負わせたとされる。