さいたま市の新ごみ処理施設、「見沼環境センター」4月から運用開始 AIの画像解析で安定した自動焼却 見学など学びの機能も充実 プラスチックや電池…異物除去だけは作業員が手作業
さいたま市見沼区膝子のごみ処理施設「見沼環境センター」が4月1日、運用を開始する。1984年に稼働した東部環境センターの老朽化に伴い整備され、ごみの焼却以外にも、リサイクル推進施設や環境啓発棟を備えて学びの機能を充実させた。
市によると、同施設にごみを持ち込むトラックの数は、多い日で200~300台。運び込まれた燃えるごみは、深さ20メートル以上の巨大ピットに集積された後、炉で焼却される。ごみの焼却過程を窓越しに見学することもできる。
この現場で活躍するのは、AIの画像解析だ。ごみの水分量を把握し、焼却炉の状況に合わせてクレーンが自動でつかんで運ぶため、安定して焼却できる。また腐敗臭も吸い込みながら焼却するので、臭いは気にならない。
焼却時の発生熱を、効率よく回収して発電につなげているのも特徴の一つ。新施設の発電能力(1万640キロワット)は旧施設(1700キロワット)と比較すると約6倍。市環境施設整備課の堀恒嘉課長は「施設の運転に使う電気は、ほとんど賄えている」と話す。
ベルトコンベヤーに流れてくる缶ごみの中から、プラスチックや電池など異物を手作業で除去する作業員の姿も見受けられる。アルミ缶とスチール缶は機械で振り分けることができるが、異物除去の工程だけは手作業で行うという。施設担当者は「(ごみを捨てる際に)ちゃんと分別してくれると手間が省けるのですが」と話す。
館内を見学時には壁紙やじゅうたん、トイレのタイルなどに活用されるリサイクル材に触れることもできる。リサイクル材を紹介する小さなプレートが幾つか設置されており、環境について子どもたちも学べる施設になっている。
余熱を有効活用し、プールや温浴施設、屋内運動場などを備える「健康福祉センター東楽園(ゆーぱる ひざこ)」も同日に開館予定。
見学はホームページか電話で事前予約が必要。問い合わせは、同センター(電話048・795・6350)へ。