銘仙羽織って心も晴れやか 埼玉・秩父の南小で卒業式 31人が伝統工芸品の絹織物「秩父銘仙」に身を包み花道歩く 「旅立ちの日に」を合唱も
2025/03/25/09:47
秩父市野坂町の市立南小学校(萩原敦校長、児童数176人)で24日、卒業式が行われた。6年生31人が国指定伝統的工芸品の絹織物「秩父銘仙」に身を包み、晴れやかな表情で花道をくぐった。
平織りで表裏がなく、大胆な色柄が特徴の秩父銘仙は、大正から昭和初期に流行した。秩父地域で100年以上にわたり伝統技術が継承されている。
同校は2018年から秩父銘仙を着用した卒業式を実施。児童は、総合的な学習の時間に秩父銘仙の染め物を体験し、地元の歴史と伝統を羽織って新たな出発の日を迎える。
卒業証書を受け取った6年生は、色とりどりの銘仙柄でステージに並び、市立影森中学校で作られた卒業ソング「旅立ちの日に」を合唱。門出式では、在校生が作ったアーチを笑顔で通った。
6年の千島秋一さん(12)は「銘仙を着ると自分も卒業するのだと実感する。小学校で習ったことを忘れず、充実した中学生活を送りたい」と話していた。