埼玉新聞

 

嘔吐する男性…寝かせられストレッチャーで移動中、地面に落下 救急車へ向かう途中、くぼみに車輪がはまって傾く 寄り添った隊員3人、ベルトで男性を固定せず…新たに頭を打撲 ベルトしなかった理由は

  • 【地図】富士見市

    担架から落下、搬送者がけが=富士見市

  • 【地図】富士見市

 富士見市、ふじみ野市、三芳町の3市町を管轄する入間東部地区事務組合消防本部(中川一諭消防長)は24日、救急隊員がストレッチャー担架で傷病者を搬送する際、胸部のベルトをしなかったことなど安全対策を怠ったため、傷病者を地面に落下させ、頭に軽傷を負わせたと発表した。

 同本部によると、16日午後0時45分ごろ、富士見市の住宅から「家人がめまいや嘔吐(おうと)している」と119番があった。救急隊員が同方2階で傷病者を確認。隊員3人で布担架(長さ約180センチ)で1階玄関まで搬送した。

 玄関で車輪付きの足が設置されたストレッチャー担架(長さ196センチ、高さ90センチ)に移し替え、隊員2人で数メートル離れた救急車に搬送する際、道路のくぼみに車輪がはまり、担架が傾いたため、傷病者が落下。地面に頭を打って打撲などの軽傷を負った。

 ストレッチャー担架には胸部と足部の2カ所に固定ベルトが設置されているが、玄関で移し替えた際、傷病者が嘔吐したため、胸部ベルトは固定していなかった。傷病者は病院に搬送され、入院治療を受けた。入院と頭部のけがとの因果関係はないという。

 同本部は「胸部のベルトは固定が原則だが、レアケースの場合には搬送を隊員3人で行ったり、路面を確認するなどの安全対策の徹底を図りたい」としている。
 

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