豪雨、突風…屋根壊れ200メートル散乱 深谷「聞いたことのないような音」 市内で複数被害もけが人なし
深谷市内で17日夜、突風が発生し、同市普済寺では漬物工場の屋根の一部が壊れて飛ばされるなどの被害が出た。人的被害は確認されていない。県危機管理防災部によると18日午後3時までに、深谷市内で屋根の破損7件、窓ガラス破損、木塀倒壊各1件、物置倒壊3件などの被害が確認された。
県によると、気象庁は17日午後7時44分、県北西部に大雨警報を発表。鴻巣市では同日午後9時までの1時間に51・5ミリの非常に激しい雨が降った。
損壊したのは、現在、稼働していない漬物工場の屋根の一部。豪雨に伴う突風が原因と見られ、ばらばらになった屋根のトタンと、屋根材とみられる木製の板片が工場の南東約200メートルにわたって散乱した。散乱した区域には民家や畑、県道などがあったが、建物、車などに目立った被害はなかった。すぐ近くの農機具などを置いていた小屋が倒れ、近隣の神社では境内の木が数本折れる被害もあった。
近隣に住む普済寺自治会長の強瀬誠さん(70)によると、17日午後7時ごろから15分程度、ひょうが交ざった豪雨とともに突風が吹き「今まで聞いたことがないような音だった」という。風は北西から南東に向かって吹き、周辺では一時、数分にわたって停電する家もあった。強瀬さんは突風の爪痕を前に「けが人がなくて良かった」話した。
18日朝には大野元裕知事と地元県議、小島進深谷市長らが現地を視察。大野知事は「不幸中の幸いにして人的被害はなかった。威力をこの目で見て、自然の驚異、災害の激甚化を強く感じた。農業被害も上がってくる可能性もある。初動対応が大切なので、それをしっかり酌み上げた上で冷静に対応する」と述べた。
小島市長は「今の気候状況、どういうことが起きるか分からない。県としっかり連携し、安心安全な生活ができるよう市として取り組む」と話した。