埼玉新聞

 

会場は「美少年ケーキ倶楽部」 古民家で江戸文化モチーフのマルシェ 埼玉・茨城県境の久喜で来月も開催

  • 「お江戸マルシェ」が開かれた栗橋駅東口前の「美少年ケーキ倶楽部」=埼玉県久喜市栗橋中央

  • マルシェを企画した渡辺真由美さん

 日光街道栗橋宿で江戸の文化をモチーフにした「お江戸マルシェ」が、久喜市栗橋駅東口近くの飲食店「美少年ケーキ倶楽部」で開かれた。飲食や雑貨の販売、マッサージなどが、マルシェ特設会場で提供され、市内外からの参加者でにぎわった。

 マルシェを企画したのは、隣接する茨城県境町で美容室を営む渡辺真由美さん。境町や坂東市で同様のマルシェを企画してきた。「たまたまお店を見て気に入った。オーナーの人柄にも引かれた」と栗橋に着目。埼玉での開催が実現した。

 会場となった「美少年ケーキ倶楽部」。古民家風店舗で、土間の入り口を先に進むと広いスペースが広がる。古民家独特の薄暗さが魅力。1、2階あちこちの小さなブースで店が開かれた。

 そもそも同店は、駅前に店舗を構えながらも、地元ではあまり存在が知られていなかった。マルシェ開催の情報発信が店舗の認知度を上げることに。オーナーの長島忠勝さんは普段では考えられない混雑ぶりに「予想外ににぎわっててんてこまいです」と客の対応に追われた。

 周辺地域はかつて武蔵と下総の国が重なり、文化圏も近かった。渡辺さんは関宿や静御前など地元の歴史に触れ、地域の魅力を掘り起こしたいとしている。一方、県内の伝統産業や地元のガラス細工職人らと連携。マルシェの開催をきっかけにネットワークを広げている。かつての暮らしぶりをカジュアルに楽しみながら、地元の歴史について理解を深めたいとの思いだ。

 マルシェは次回8月21日開催予定。渡辺さんは、次回以降の開催に向け「江戸時代の暮らしを楽しんでみたい方はぜひ参加してほしい」と呼びかけている。

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