川越百万灯夏まつり、30・31日に開催へ 開始時間を遅らせ、交通規制も縮小 露店は約100店に絞る
城下町川越の風物詩、「川越百万灯夏まつり」は30、31の両日、川越市中心部で3年ぶりに開かれる。昨年と一昨年は、新型コロナウイルスの影響で中止された。地元が待ち望む再開だが、感染の「第7波」は県内でも前例のない規模で急拡大。関係者は防止策を徹底しながら、最後の準備に取り組んでいる。
江戸時代の1850(嘉永3)年、その前年に没した川越城主の松平斉典(なりつね)から生前受けた恩義に報いようと、三田村源八の娘魚子(ななこ)が斉典の新盆に切子灯籠を作って表玄関に掲げたのが起源とされる。その後、中断を経て太平洋戦争後に復活。川越市制施行60周年の1982(昭和57)年から今の名称となり、市民参加型の祭りとして定着した。
例年、開催まで1週間を切ったあたりから各町内や商店街がちょうちんを飾りだすというが、今年は早くも中旬ごろには市街地を彩りはじめた。実行委員会の事務局となっている川越商工会議所の鹿倉隆事務局長(60)は「過去2年の中止は断腸の思いだった。今年は期待の大きさをひしひし感じる」と言う。
政府が社会経済活動との両立を図る方針を打ち出し、実行委も開催方法を検討してきた。その結果、来場客が暑さでマスクを外すことがないよう、例年は午後2時だった開始時間を同5時に遅らせ、交通規制の範囲も縮小。密になる行事は取りやめ、コロナ禍前の2019年は約130店が出ていた飲食などの露店も、約100店に絞った。
一方で、祭りの原点に立ち返り、会場内5カ所に「夢灯ろう」を初めて設置。市内の幼稚園や保育園の10園の子どもたちにデザインしてもらい、夏の夜を照らすことにした。また、感染の再拡大を受けて対策も急きょ強化。基本的な感染防止策の徹底を注意喚起するプラカードを作り、会場内の各所で掲出する。
鹿倉事務局長は「祭りを後世に残すため、コロナ下でもできる内容で組み立てた。お客さまにも協力していただきながら、一緒に祭りをつくりたい」と呼びかけた。