埼玉で交通取り締まり強化へ 今年1~3月すでに31人死亡、事故警報を発令中 自転車の死傷者は1020人、半数以上は一時不停止や信号無視など違反 新学期が始まり警戒、今回の取り締まりポイントは
春の全国交通安全運動が6~15日に実施される。今年1~3月の埼玉県内の交通事故死者は31人(暫定値)で、全国ワースト5位。前年同期に比べ12人増加しており、予断を許さない状況が続いている。県警は運動期間中、重点目標を「自転車乗車時のヘルメット着用推進と交通ルールの順守」「横断歩道における歩行者優先の徹底」に設定。新学期も始まる中、期間中にさまざまな啓発、取り締まりなどを行い、県民の安全意識の向上を図る。
今年の重点目標は、昨年11月から自転車運転中に携帯電話を使用するなどの「ながら運転」や酒気帯び運転を罰則、厳罰化した改正道交法が施行されたことを受け、昨年の目標を維持しつつも新たに「交通ルールの順守」を追加し、改正法の周知を図る。
今年1~3月の交通事故死者31人のうち、自転車による事故で亡くなったのは8人で、前年同期比で6人増加。同期間の自転車死傷者は1020人(57人減)だった。死傷者のうち、ながら運転による事故は1人で、834人はヘルメットを着用しておらず、着用率は約17%。前年同期(約13%)から微増した。また、自転車乗車の事故当事者のうち酒気帯び運転は6人で、前年同期から5人増えた。
自転車による死傷事故を巡っては、今年1~3月の死傷者1020人のうち、67%に当たる691人が一時不停止や信号無視など何らかの違反があったことが県警のまとめで判明した。また県は、3月22~28日までの1週間で5件の死亡交通事故が発生したことを受け、3日から交通死亡事故多発警報を発令している。当該の事故死者5人のうち、3人は自転車乗車中だった。
同運動期間中には新学期が始まり、通学路を登下校する新小学1年生や自転車通学を始める中高生も増える。県警交通総務課は「運転免許を持っているか否かを問わず、自転車も交通ルールを守り、事故に遭わない、起こさないという意識を忘れず『自転車とヘルメットはセット』を合言葉に安全運転をお願いしたい」と呼びかけた。