埼玉新聞

 

桜を見に行った母親号泣 健在なら26歳…未解決のひき逃げ事件で死亡した男児、誕生日は4月3日 地元ラジオに出演した母、癒えない悲しみ吐露 死亡ひき逃げは時効撤廃をと訴え

  • ラジオ番組で情報提供を呼びかけ、死亡ひき逃げ事故の時効撤廃を訴える小関代里子さん(右)

    ラジオ番組で情報提供を呼びかけ、死亡ひき逃げ事故の時効撤廃を訴える小関代里子さん(右)=8日、熊谷市筑波のFMクマガヤ

  • ラジオ番組で情報提供を呼びかけ、死亡ひき逃げ事故の時効撤廃を訴える小関代里子さん(右)

 熊谷市で小学校4年生の小関孝徳さん=当時(10)=が車両にひき逃げされて死亡した未解決の事件で、小関さんの母代里子さんが8日、情報提供と死亡ひき逃げ事故の時効撤廃を求める活動を行った。代里子さんは、地元のコミュニティーFMラジオ局「FMクマガヤ」の生放送に出演。現場周辺では、県警と共にチラシを配布した。

 事故は2009年9月30日午後6時50分ごろ、熊谷市本石1丁目の市道で発生。小関さんは自転車で帰宅途中、車両にはねられ亡くなった。県警は2台以上の車が関与した可能性があるとみて、罪名を危険運転致死罪に切り替えて捜査を継続。時効は10年延長されて20年となったが、成立まで4年半を切っている。

 小関さんは4月3日が誕生日で、健在であれば26歳を迎えているはずだった。代里子さんはラジオ番組で、「きのう(7日)は荒川の土手に親戚と桜を見に行ったが、息子のことを話しながら号泣してしまった」と、今も癒えない深い悲しみを吐露した。

 法務省では現在、危険運転致死傷罪の適用要件見直しに向けた議論が始まっているが、ひき逃げ事故は検討対象に入っていない。代里子さんはひき逃げを道交法違反ではなく、危険運転致死傷罪として処罰すべきだとして、死亡の場合は時効を撤廃、重傷ならば30年に延長を求めて署名活動を実施。「逃げることを考えない社会をつくらなければいけない」と訴えた。

 現場付近では、熊谷署など県警の警察官27人と一緒にチラシ400枚を配布。通行する車両のドライバーらに、情報提供を呼びかけた。

 情報は熊谷署(電話048・526・0110)または、代里子さんのブログ「《未解決》熊谷市小4男児死亡ひき逃げ事件!」(https://ameblo.jp/kosekitakanori/)へ。

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