埼玉新聞

 

新市立病院の整備、計画を蕨市が公開 八つの方針を策定…急性期医療の継続、地域の医療連携、周産期医療、外来診療環境の充実など 29年度中の開院を想定

  • 移転立て替えの方針が決まった現在の蕨市立病院

    移転立て替えの方針が決まった現在の蕨市立病院=蕨市北町2丁目

  • 移転立て替えの方針が決まった現在の蕨市立病院

 蕨市は新市立病院整備の考え方をまとめた「蕨市立病院整備基本構想・基本計画」を策定し、市立病院ホームページなどで公開を始めた。

 蕨市北町2丁目の現在の市立病院は1970年に建設され、老朽化、設備の劣化が著しいことから、市は2019年から、施設整備の検討を進めてきた。24年3月には現在、西公民館・松原会館がある同市錦町地内への移転立て替え方針を決定し、今年2月には、広く市民らから意見を聞くパブリックコメントを実施していた。

 公開された市立病院整備基本構想・基本計画によると、整備基本方針として、市内で唯一の二次救急指定病院として急性期医療の継続、地域医療連携の充実、地域包括ケアへの対応、市内唯一の分娩(ぶんべん)施設としての機能など周産期医療、小児医療の提供、外来診療環境の充実、入院環境の充実など八つの方針を策定。

 診療体制では現在の内科、小児科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の7科と、曜日により開設する皮膚科、呼吸器内科、消化器内科、糖尿病科、泌尿器科、乳腺外科を基本とするとしている。病床数は現状の130床程度をベースに検討する。

 移転候補地は現在の西公民館や松原会館を含む蕨市錦町3丁目の約4540平方メートルの敷地。新病院の想定床面積は病床数などから、9千平方メートル程度を基本に考える。

 備品や医療機器、医療情報システムなどを含まない概算事業費は設計と監理費が約3・8億円、建設工事費が約63・4億円で計67・2億円。今後の社会情勢や設計内容などで変動もあるとしている。

 今後、25、26年度に基本設計と実施設計を行い、27、28年度にかけ建設工事を実施。29年度中の開院を想定している。

 頼高英雄市長は「今後、本構想・計画に基づき、設計、工事着工と進むこととなるが、皆さまには、これからも市の未来に向けた市立病院移転建て替え整備に引き続きご理解とお力添えを」としている。

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