埼玉新聞

 

ラム酒の可能性に挑戦!洋酒製造社長、秩父での蒸留所建設に向け全国を奔走 複雑な香りと長く残る余韻…自信の初商品はバーテンダーらの間で評判に 第二弾の販売は9月ごろを予定

  • 初商品「レインメーカー ピクニー」を手にする大島弘也社長

    初商品「レインメーカー ピクニー」を手にする大島弘也社長

  • 初商品「レインメーカー ピクニー」を手にする大島弘也社長

 ラム酒などの洋酒製造のファインスピリッツ(本社・秩父市)が2月に同社の初商品となるラム酒「レインメーカー ピクニー」を発売し、話題を呼んでいる。大島弘也社長(38)は「ラム酒は蒸留酒の中でも認知度が低く、飲み慣れないお酒だが、原料や製造方法が多様で、地域性も出やすい。ラム酒の可能性に挑戦してみたい」と意欲を見せる。

 大島社長はウイスキー専業メーカーのベンチャーウイスキー(同)を経て、独立。昨年12月に法人化し、秩父地域でラム酒の蒸留所建設の計画を進めながら、まずは委託ラム酒事業に着手。以前から親交のあった天神村醸造所(愛媛県)の協力を得て、大島社長のこだわりの原材料とレシピを元に同醸造所で蒸留・製造した。商品はバーテンダーらの間で評判になり、限定29本は即完売。主に秩父市内や都内のバーや飲食店などで飲むことができる。

 原材料は沖縄産特製サトウキビで、「ハイテストモラセス」という製法を採用。サトウキビジュースを1度加熱し、砂糖を生成せずにシロップ化させたものに、ラム酒の本場ジャマイカで使用されているラム酒イーストを使い、長期低温発酵を行った。「前職のウイスキー製造で培ったのは五感。全ての感覚を研ぎ澄ませて、複雑な香りと余韻が長く残るラム酒を完成させることができた」と自信をみせる。

 ブランド名の「レインメーカー」とは、欧米で雨乞いする人(雨をもたらす人)、優れた成果を生む人という意味を持つ。「お酒を通じて、癒やしや祈り、幸福といったものを伝えていけたら」との願いを込めた。自前の蒸留所の建設に向け奔走しながら、委託製造の商品の営業や販促でも一人、全国を飛び回っている。

 第二弾は9月ごろに70本ほどを販売する予定。

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