夏の雲と仲良くなろう 知れば愛着、うまく付き合うことも 気象予報士・津田さんが特別講座 20日、所沢
ところざわサクラタウン内の角川武蔵野ミュージアムを拠点としたカルチャー講座「角川アカデミア森の学校」の企画として、20日に夏休み特別講座「夏の雲と仲良くなろう」が開催される。
講師を務めるのは気象予報士の津田紗矢佳さん(35)。津田さんは自らの仕事を「気象“翻訳者”」として「専門用語や込み入ったデータにより難しいという印象を抱かれがちな天気や防災について、分かりやすい言葉で伝えることが理念」と話す。
7月23日から同ミュージアムで関連企画展も開催中の書籍『すごすぎる天気の図鑑』の著者で、気象庁研究官の荒木健太郎さんは、津田さんの師にあたる。
講座は映画上映などでも利用されるジャパンパビリオンホールで実施。津田さんによれば、スクリーンで面白い形の雲やきれいな空を鑑賞し、雲に関するクイズなども行うことで、すでに雲に興味がある人からこれから学びたい人まで、年齢に関係なく楽しむことができる講座だという。
津田さんはこれまでも天気や防災について書籍の出版や講演を行うなど幅広く活動してきたが、出身は文系で以前は法律事務所に秘書として勤めていた。「(秘書時代に)大雪で上司の会議に間に合わないかもしれないとハラハラした」経験が、津田さんが気象に興味を持つきっかけだった。
その後2014年に報道関係の知人に連れられて訪れた広島で、実際の土砂災害現場を目撃。津田さんが話を聞いた被災者は「テレビや新聞で予報は見ていたが、まさかこんな大きな災害になるとは思っていなかった」と語ったという。「ただ伝えるだけではなく、分かりやすくかみ砕かないと伝わらないと感じた。まさかをなくすために気象予報士を志した」
今年に入って県内では、大雨やひょうによる被害が多発している。被害を最小限に抑えるためにも、津田さんは「その地域に知り合いや親戚がいたらまずは一声かけてほしい。災害時には正常性バイアス(「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと状況を過少評価する認知の偏り)が働いてしまう。声かけがあるだけで、自分ごととして早期避難につながる」と話し「天気のことを知っていると愛着が湧く。天気とうまく付き合うことができる」と語る。今回の講座で「来るときには知らなかった雲の名前が、帰り道には分かるようになるはず」。
講座の詳細や申し込みは角川文化振興財団ホームページ(https://www.kadokawa-zaidan.or.jp/)へ。