埼玉新聞

 

「課題が山積み」大宮盆栽村、次の100年を考える 大宮区で記念シンポジウム 俳優の高橋ひかるさん、元プロ卓球選手の水谷隼さんら登場 国内外から愛好家訪れる一方、園主の高齢化や後継者不足問題も

  • 自身で制作した盆栽を手にする高橋ひかるさん

    自身で制作した盆栽を手にする高橋ひかるさん

  • 自身で制作した盆栽を手にする高橋ひかるさん
  • シンポジウムに登壇した藤樹園3代目園主の広田敢太さん(中央)ら=12日午後、さいたま市大宮区のレイボックホール

 大宮盆栽村100周年シンポジウムが12日、さいたま市大宮区のレイボックホール(市民会館おおみや)で開催された。アンバサダーを務める俳優の高橋ひかるさんや、元プロ卓球選手の水谷隼さんらをゲストに迎え、約900人が参加。盆栽園主らと共に大宮盆栽のこれからの100年を考えた。

 大宮盆栽村(さいたま市北区盆栽町)は1925年4月に開村。盆栽の技術を発展させるとともに盆栽文化の普及にも取り組み、国内外から多くの愛好家が訪れる一方、園主の高齢化や後継者不足といった問題を抱えている。

 同世代への影響力を期待され、アンバサダーに選ばれた高橋さん。イベントで、清水勇人市長から委嘱状を受け取ると、「より多くの方に盆栽や大宮盆栽村を知ってもらえるようにお力添えできたら」と意気込んだ。その後、水谷さんが、東京五輪で金メダルを獲得するまでの「打ち返す力」について講演した。

 「大宮盆栽のこれからの100年を考える」をテーマにパネルディスカッションも実施された。藤樹園3代目園主に昨年末に就任した広田敢太さんは「課題が山積み。維持していくにはどうすればいいか考えながら、この1年頑張っていくが非常に厳しい」と明かした。「まずは来ていただき、先人たちが続けてきたことを肌で感じてほしい。その中で頑張っている人がいるから応援しようと思ってくれたらうれしい」と語った。

 大宮盆栽美術館の学芸員田口文哉さんは「法律が変わり、盆栽の技術や技術者を無形文化財として登録できるようになった。さいたま市は全国に先駆けて、保護政策を進めていくことを検討してほしい」と求めた。

 新たなプロモーション映像も初公開され、高橋さんは「美しさには長年つぎ込まれた時間があり、支えてきた人がいる。単なる美しさではなく、背景を知ることでもっと魅力を感じてもらえる映像になっているのでぜひ見てほしい」と呼びかけた。映像はさいたま市のホームページで公開されている。

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