埼玉新聞

 

埼玉各地の暑さ、HPリアルタイム公開 独自で指数化、全国初 詳細データを高頻度で取得、熱中症対策へ

  • 暑さ指数の公開ページ(県気候変動適応センターウェブサイトから引用)

  • 独自開発された暑さ指数計(県環境科学国際センター提供)

 県民の熱中症予防に役立てようと、埼玉県環境科学国際センター(加須市)は、熱中症注意喚起の基準となる「暑さ指数」を自動計算、送信するIoT(モノのインターネット)暑さ指数計を独自開発し、県内20地点に設置した。各地点の暑さ指数を集約し、県気候変動適応センターのウェブサイトにリアルタイムで公開。パソコンやスマートフォンで見ることができる。自治体で独自に暑さ指数を公開するのは全国でも初めてという。

 暑さ指数計は2020年から開発を始め、県立学校などの実証実験を経て運用を開始。「進化する百葉箱」と命名された。温湿度計と輻射(ふくしゃ)熱を測る黒球温度計をマイクロコンピューター(超小型コンピューター)につなげることで暑さ指数を計算し、約10分ごとに通信装置でデータを送信する。工業系の学科がある県立高校など20地点に設置され、ウェブサイトでは各地点の暑さ指数の推移も見ることができる。公開期間は暑さが収まる9月ごろまでで、来年7月ごろに再開する予定。

 環境省の公開データは県内8カ所の推計値のため、より高頻度で詳しいデータを得ることができる。環境科学国際センターは「屋外に出かける際に見ると熱中症リスクが分かる。(暑さ指数が)28度以上の時は運動を控えるなどの対策をしてほしい」と呼びかけている。

 暑さ指数は体と外気の熱のやりとりに着目した指標で、指数が高いほど熱中症リスクが高くなる。暑さ指数28度以上で冷房の活用や外出を控えるなどの予防対策が必要。基準では25~28度で運動や激しい作業に定期的で十分な休息が必要とし、28~31度で外出時は炎天下を避けること、31度以上で外出を控えて涼しい室内に移動することを注意喚起している。

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