埼玉新聞

 

遮断機降りる踏切で男性転倒、高3男子4人が救助 とっさの判断、特急列車は手前で停止 春日部署が感謝状

  • 榊原範人春日部署長から感謝状を贈られる人命救助した県立庄和高校男子生徒4人=春日部署

 春日部署は23日、遮断機の降りた踏切で倒れて動けない男性を避難させ人命救助に貢献したとして、県立庄和高校3年の男子生徒4人に感謝状を贈った。

 表彰された福田隆乃介さん(17)、木村真夏輝さん(17)、岡村和馬さん(17)、西脇海斗さん(17)の4人は「無我夢中だったが、助かって良かった」と口々に語った。

 4人は帰宅途中の11日午後3時半ごろ、春日部市備後西、東武伊勢崎線武里駅と一ノ割駅の間の踏切近くを通り過ぎたところ、市内に住む無職男性(71)が自転車で転倒し、踏切内で動けない状態になっていたのを発見した。

 4人が自転車が転倒する音で気付いた時には、警報機が鳴り遮断機が降りてしまっていた。

 福田さんが、とっさの判断で非常停止ボタンを押し、木村さんが自転車を移動。岡村さんと西脇さんが、男性を踏切の外に連れ出した。非常停止ボタンの通報を受け、浅草行きの特急列車が現場100メートル手前で停止した。

 わずか数十秒間の機転を利かせた連係プレー。福田さんは「電車が遠くに見えたので危険だと思った。行動に迷いはなかった」と振り返る。4人は入学当初から登下校をともににする間柄だが、スムーズな素早い対応に繋がったようだ。

 感謝状贈呈では榊原範人署長が「4人の連携プレーが、重大事故を未然に防止することができた。彼らの勇気ある行動に感謝する」と称えた。

 また救助された男性の妻から「助けていただけなければ危険な状況でした。本当にありがとうございました」と感謝のコメントが寄せられた。

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