埼玉新聞

 

県展、入賞・入選作品が発表 96歳の和澄さん、2年連続入賞で最高齢入賞を更新 最年少は高校生4人

  • 埼玉新聞社賞を受賞した洋画部門・植村佳乃子さんの「バブバブの逆襲~ラブリィデストロイベイビー~」

  • 埼玉新聞社賞に決まった写真部門・井上文子さんの「陽春」

 自治体主催の公募美術展としては全国トップクラスの出品数を誇る「第69回県美術展覧会(県展)」(県、県教委、県美術家協会主催、埼玉新聞社など協賛)の入賞・入選作品が24日、発表された。洋画部門の県知事賞に志田翼さん(37)=川越市=の「ききたい・くない」が選ばれたのを始め、埼玉新聞社賞は洋画部門で県立坂戸高校3年の植村佳乃子さん(17)と写真部門で越谷市の井上文子さん(81)=越谷市=に決まった。彫刻部門では96歳の和澄(わずみ)明子さん=さいたま市中央区=が県美術家協会賞を受賞し、自身が持つ最高齢入賞者の記録を更新した。

 県展は日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門。プロ、アマチュア問わず、県内在住、在勤、在学の15歳以上(中学生除く)が応募できる。今回は県内62市町の15歳~101歳までの男女3201人から3861点(招待作品406点含む)の出品があり、入選点数は1582点(うち入賞69点)となった。全部門を合わせた入選率は昨年とほぼ同じの45・8%。101歳の出品者はデータの確認できる2004年以降の過去最高齢で「幅広い世代からの応募があり、県展への認識が浸透してきた」(県教育局文化資源課)としている。

 和澄さんは昨年、彫刻部門で県教育委員会教育長賞を受賞しており、90代にして2年連続の入賞。記録の残る02年以降の最高齢記録を更新した。入賞者の最年少は洋画部門で朝日新聞社賞の宮下和皆(なみな)さん(17)=鴻巣市=ら高校生4人。

 埼玉新聞社賞の植村さんの作品「バブバブの逆襲」は「斬新で高校生の描いた作品とは思えない技術がある」、同賞の井上さんの作品「陽春」は「子どもの表情、視線も自然で素晴らしく、モノクロ表現の効果を感じる」などと高い評価を受けた。 

 各部門の入選率は次の通り。カッコ内は一般と会員を含む入選点数。

 日本画74・2%(132点)▽洋画43・6%(513点)▽彫刻83・3%(60点)▽工芸55・3%(163点)▽書59・6%(258点)▽写真35・1%(456点)

 県展は28日から6月19日まで、さいたま市浦和区の県立近代美術館で開催する。

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