埼玉新聞

 

倒れた男性、道路に…ひかれないよう車を真ん中に止めて守った親子表彰 迷子の男児を保護した小学生も表彰

  • 感謝状を受け取った5人。(右から)菊間裕美さん、菊間杏未紗さん、田口悠之助さん、杉山幹太さん、浜田星那さん=22日、さいたま市緑区

 人命や迷子の救助を行ったとして、浦和東署は22日、いずれも管内居住の親子と小学生3人に対して感謝状を贈った。同署の吉野保浩署長は「人命の救助はなかなかできることではない。事件や事故につながらずに良かった」と感謝の言葉を述べた。

 大学院生の菊間杏未紗さん(23)と母・裕美さん(54)は5月18日午後11時45分ごろ、緑区道祖土地内を車で帰宅中、路上であおむけに倒れている男性を発見。付近は丁字路で見通しも良くなかったことから、裕美さんは他の車にひかれないように、とっさの判断で道路の真ん中に車を停車させ、110番。迅速な対応で男性は病院に搬送されたが大事に至らなかった。裕美さんは男性の容体を心配していたが「何もなくて良かった」と安堵(あんど)した。

 同区の中尾小学校に通う4年生の田口悠之助さんと杉山幹太さん、浜田星那さんは7月11日午後3時50分ごろ、下校中の路上で、多くの荷物を持って汗だくで、落とし物を探すようなそぶりで辺りを見渡している小学生男児を見つけた。「頑張ってね」などと声をかけたところ「僕の家を知らない?」と聞かれ、道に迷っていることに気付いた3人は、男児の荷物を代わりに持ち近くの交番まで誘導。交番の警察官は不在だったが、緊急通報装置から同署に通報し、警察官に引き渡すことができた。

 男児に声をかけた田口さんは「大変そうにしていたので助けたいと思った」と振り返り「これからもこのようなことがあったら迷わずに声をかけてあげて、力になりたい」。杉山さんは「(男児が)家にたどり着けて良かった」と話し、浜田さんは「助けられてうれしかった」と笑顔を見せた。

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