大宮・浦和のデパート、じつは1日限定で「ついたちまんじゅう」販売 さいたま市の知られざる“慣習”
2022/09/09/00:00
さいたま市内の和菓子店9店舗で作る「ついたちまんじゅうの会」(佐藤高広会長・藤宮製菓社長)は1日、同市大宮区の氷川神社に「ついたちまんじゅう」を奉納。その後、おはらいを受けたまんじゅうは、同神社の参拝者らにプレゼントされた。
ついたちまんじゅうは、7月1日(旧暦6月1日)に、その年に収穫した小麦でまんじゅうを作り、神棚や仏壇に供え、家族・親類、近所に配るという風習。しかし、市内での小麦の生産が姿を消し、現在では「家庭で作られているところは少ないと聞く」という。
さいたま商工会議所商業部会は、さいたま市のブランドを作ろうと、2012年の秋、さいたま地域ブランド育成研究会を立ち上げた。県産の小麦に焦点を絞り、市の協力を得ながら「ついたちまんじゅうの会」を発足。毎月1日には、参加和菓子屋がアイデアや技術を生かして県産小麦を使った特徴ある創作まんじゅうを開発。各店舗と大宮区や浦和区のデパートや百貨店で1日限定で販売されている。
佐藤会長は「この奉納を通して、ついたちまんじゅうや埼玉の小麦文化を多くの人に知ってほしい」と話す。
参拝後、まんじゅうを受け取った大宮区内の女性(59)は「突然のプレゼントでびっくり。ついたちまんじゅうを初めて知った。さいたま市にはこんな慣習もあったのですね」と話していた。