<所沢親子死亡>母親名義のカードで現金引き出す 窃盗の43歳被告に1年6月求刑 弁護側は無罪主張
2019/05/28/00:00
昨年2月、所沢市で親子2人の遺体が見つかった事件に絡み、死亡した入江富美子さん=当時(76)=名義のキャッシュカードを使って現金を引き出したとして、窃盗の罪に問われた、所沢市旭町、無職の54歳被告と住所不定、無職の43歳被告の第3回公判が27日、さいたま地裁(石川慧子裁判官)でそれぞれ開かれた。検察側は43歳被告に懲役1年6月を求刑して結審した。
43歳被告の論告で検察側は、入江さん方に居住していた54歳被告の居室から、次男大崎欣孝さん=当時(53)=の血液が付着した入江さんの手提げバッグが見つかったことなどから不正に入手したカードであると主張。「被告らに対し、預金額全額の引き出しを承諾するような人的関係はなく、動機は利欲的で身勝手」と指摘した。
43歳被告の弁護側は、入江さんから承諾を得た54歳被告に頼まれて現金を引き出したとして、改めて無罪を主張した。
54歳被告の公判では証拠調べが行われ、43歳被告が証人として出廷。入江さん方に出入りしていたことなどは認める一方で、事件前後に関することについては証言を拒否した。その後の被告人質問は、54歳被告が黙秘する姿勢を示したため行われなかった。