大阪万博グッズも! お土産から芸術品まで光に魅せられる作品展示 川口の「万華鏡博物館」 19日まで
川口市幸町2丁目の「日本万華鏡博物館」で19日まで、企画展「灯台と万国博覧会の万華鏡展」が開かれている。今回は灯台の形をしたアート作品の万華鏡と、各地の万博でお土産品として売られてきた万華鏡を特集した。灯台は船の安全を守る施設。万華鏡は光を遠くへ届けるための灯台の研究の中から生まれた副産物で、灯台とは深い縁があるようだ。
■大阪万博
大熊進一館長(72)の自慢のお宝は52年前の1970年に、大阪で開催された日本万国博覧会(大阪万博)で売られたお土産品の万華鏡。1個450円。胴体にさまざまな衣装の子どもたち15人が描かれている。「中に黒人の子がいないのは、今では考えられないこと」と大熊さん。
ほかに、万博土産としては、2005年の愛・地球博(愛知万博)で登場した高さ47メートルの名古屋市の万華鏡型パビリオンを模した万華鏡、10年の上海万博(中国)の土産品の万華鏡なども。上海万博では中国主催で北朝鮮、台湾が参加し、注目を集めた。
■すばる望遠鏡
一方、温泉宿や万博で庶民の土産品だった万華鏡が、80年代に高価な美術品に変身する。「宇宙観測の反射望遠鏡として直径8・2メートルのすばる望遠鏡はすごい性能。(東京から富士山頂のコインを見分けることができるという)その反射鏡と同じ高品質のガラスを使った万華鏡が新しいアートとして登場した」と大熊さん。今回は、主としてアメリカ人作家による灯台形の作品を展示した。
「19世紀の科学の最先端は船の安全を守る灯台の光学技術だった。ところが、20世紀の科学は人殺しの原爆が最先端。万華鏡を発明した物理学者、デビッド・ブリュースターや蒸気機関を発明したワットなど、19世紀スコットランド人のことをもっと知りたい」と大熊さんは話す。
午前10時~午後7時。施設が小さいこともあり、予約優先。見学コースは30分、製作コースは約40分で料金3千円前後。
問い合わせは、同博物館(電話048・255・2422)へ。