土砂崩れの秩父中津川、緊急車両が通行可に 停電で衛星電話や発電機を搬入、携帯は一部復旧
2022/09/15/00:00
秩父市中津川地区の県道中津川三峰口停車場線が寸断された土砂崩れで、県秩父農林振興センターは14日、同地区住民の唯一の生活道路となった林道「金山志賀坂線」の道路補修工事を実施し、緊急車両の通行機能を確保した。市の職員が車で同地区の住民を訪問し、必要な支援などを聞き取った。
13日午前6時半ごろに発生した土砂崩れは、秩父市街と集落2地区(中津川、中双里)をつなぐ県道中津川三峰口停車場線上の落石防止用構造物「大滑ロックシェッド」に直撃し、同2地区の住民計16人らの生活に影響を与えている。同地区内には、国道299号の小鹿野町方面に抜ける金山志賀坂線があるため、どうにか孤立状態は免れたが、同林道は2019年の台風19号で被害に遭った落石や土砂崩れの爪痕が現在も残っており、大型車両が通行するためには補修工事が急務だった。
同林道沿いは、奥秩父山塊有数の紅葉の名所として観光客らに人気が高いが、台風19号被害以降は、危険を考慮して、一般車両の通行は禁止になっている。今回の道路補修工事は、緊急車両や支援車両などを通行させる目的で実施。崩壊道路に鉄板を敷いて道幅を広げる作業や、ショベルカーを使用して落石除去を行った。
市はこの日、危機管理課の職員が計3台の車で同林道を通り、中津川と中双里地区を訪問。住民に接触して今後の支援要望などを聞いて回った。
県災害対策課は午後6時半時点の被害状況をまとめ、秩父市により発電機13台と発電機用燃料、衛星電話機が停電世帯に搬入されたと発表した。また停電により一帯で携帯電話がつながらなかったが、一部は復旧。不通状態が続く携帯電話会社も15日午前中から復旧作業を予定している。