埼玉新聞

 

県展、さいたまの近代美術館で開幕 入選・入賞作品など1988点を展示、美術愛好家らでにぎわう

  • 県展が開幕し、作品を鑑賞する来場者=28日午前、県立近代美術館

 「第69回県美術展覧会(県展)」(県、県教委、県美術家協会主催、埼玉新聞社など協賛)が28日、さいたま市浦和区の県立近代美術館で始まった。日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門で入選・入賞した1582点と招待作家ら406点の計1988点が並び、美術愛好家らでにぎわった。6月19日まで、入場無料。

 県展には62市町の15歳~101歳まで幅広い世代から3861点の応募があった。自治体が主催する公募美術展としては全国トップクラスの出品数を誇る。会場には、柔らかな緑で森の小道を描いた日本画、遠くを見つめる女性のまなざしが印象的な洋画、初夏を表現した彫刻などそれぞれの個性が光る作品がずらり。日本画部門で県知事賞を受賞した平野民子さん=上尾市=の「街角の水槽」を始め、各部門の入賞作の前で足を止め、じっくりと鑑賞したり、スマートフォンを構えたりする来場者が多かった。

 埼玉新聞社賞を受賞した井上文子さん=越谷市=の写真「陽春」に見入っていたさいたま市浦和区の蔵田鈴歌さん(70)は「髪の毛が光っていて、インパクトがすごい」と感心した様子。紙風船をテーマにした洋画が入選した越谷市の自営業小島啓二朗さん(65)は「県展はレベルが高く、少しでも気を抜くと落選してしまう。絵は半年かけて描いており、未来への希望を込めた。来年は入賞を目指したい」と話した。

 県展の担当者は「多彩な作品がそろっており、見飽きない。洋画、彫刻、書など6部門の作品を無料で楽しめる」と来場を呼び掛けている。午前10時~午後5時半まで。月曜休館。

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