埼玉新聞

 

深夜3時…すごい煙に気付いた男性、見ると女性宅で「火の粉」上がる 声かけても反応なく庭のバケツで消火

  • 感謝状を受け取った隝田幸雄さん(中央)=20日午前、飯能市小久保の飯能日高消防局

 今年4月1日に飯能市内で発生した物置のぼやを察知し、被害が拡大する前に消火活動を行ったとして、飯能日高消防署は20日、市内の新聞配達員隝田幸雄さん(57)に感謝状を贈呈した。

 隝田さんと同署によると、ぼやは午前3時ごろ、飯能市永田の80代女性方敷地内の物置付近で発生。女性が廃棄した灰から発火しているのを、女性方に新聞を配達していた隝田さんが発見、庭にあったバケツを使って消火した。隝田さんは「すごい煙で気が付いた。見ると物置の横に膝くらいの高さまで積まれた灰の山から、火の粉が上がり始めていたので、家に向かって『すみません』と声をかけた」と発見当時の様子を振り返る。女性からの反応はなく、火は隝田さんが20分ほどかけて消火した。隝田さんは、残りの新聞を配達した後で、再び女性方を訪れて事情を説明したという。

 同署の藤本直樹署長は「普段から高い防火防災意識を持ち、迅速で的確に対応された。すばらしい」と感謝を伝え、隝田さんは「当然のことをした。誰でも同じことをしたと思う」と笑顔を見せた。

ツイート シェア シェア