埼玉新聞

 

大宮、ホームでJ2残留決める 殊勲の中野「自分たちから殴りに行く気持ち」 積極プレーで山口に2―1

  • 大宮―山口 前半3分、先制ゴールを決めた大宮の中野(中央)が仲間と喜ぶ

 (第40節最終日、9日・NACK5スタジアム大宮ほか)

 6試合が行われ、大宮はホームで山口に2―1で勝利し、J2残留を決めた。大宮は前半の中野の2ゴールで試合を優位に進めた。大宮は勝ち点42とし、降格圏内21位の琉球との勝ち点を8差とした。

 戦評…前半に2点を先行した大宮が2―1で山口を下し、勝ち点を42に伸ばして残留を決めた。

 大宮は前半3分、富山の右クロスに頭で合わせた中野のゴールで先制。同18分にも富山のパスからワンタッチプレーで抜け出した中野が追加点を決めた。後半15分に成岡のゴールで1点を返されたが、最後まで集中したブロックを崩すことなくリードを守り抜いた。

■前への積極性が形に

 勝てば残留が決まるホーム山口戦で、相馬監督が大宮にもたらした積極性を存分に発揮した。

 序盤からハードワークで戦線を押し上げ、前半3分、同15分と中野が2ゴール。殊勲の背番号27は「自分たちから殴りに行く気持ちだった。クロスの入り方は北嶋コーチに言われていたので、自分の成長を感じる」とうなずいた。

 勢いづくと手がつけられない山口の背後を突いて主導権を握ることができたのも、選手全員の矢印がゴールに向かっていたことに他ならない。後半はやや引き過ぎてピンチを招いたが、最後まで浮足立つことなくリードを守り抜いた。

 今季途中からチームを率いた相馬監督は「きょう決めることが大きなことだと思っていた。徐々にチームとして方向性が整ってきた」と選手たちの奮闘をたたえ、「3連勝で皆さんと喜び合えるようにしたい」と次なる目標を口にした。

 昨季に続いてクラブが危機に瀕した現実に大山は、「この状況に慣れてしまうのは危険。考えなければならないことは多い」と警鐘を鳴らした。

■鮮やかクロス、先制点を呼ぶ/富山

 「自分が一番びっくり」という鮮やかな右クロスで、中野の先制点を呼び込んだ。「いろいろな方々に申し訳ない気持ち。支えてくれた人たちに恩返しができるようにしたい」と7月から主将を任された今季を総括した。

 大宮で8季プレーし、今季限りでの現役引退を表明している菊地と終始マッチアップ。「長い月日を共にした選手とプレーできてよかった。大宮のために尽くしてくれた人がいたことを、次に伝えていけるように」と実感を込めた。

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