<お持ち帰りグルメ>おかずたっぷり10種類超!やさしい「庄内の味」さいたまで ふるさとごはん まめの
「ふるさとごはん まめの」(さいたま市南区)は、山形県庄内地方の食材にこだわり、「山形牛弁当」(税込み1100円)、「庄内豚弁当」(同980円)などの弁当を販売している。店主の荒井忍さん(43)は、小説家藤沢周平の出身地として知られる庄内の鶴岡市出身。20歳の頃まで過ごした古里は日本海に面して山もあり、魚や貝、山菜、果物など食材の宝庫だという。「素朴で良い所だけど、知名度があまりない。庄内の食を知ってほしい」
祖母らが飲食店を営業していたことから、子どもの頃から手伝っていた。「私の味はおばあちゃんの味」と荒井さん。売れ筋の「わっぱめし弁当」(同850円)は、主菜の魚のほかに、煮物やおひたしなど10種類前後の副菜を載せる。購入した女性からお礼の手紙が届いたこともある自慢の弁当だ。
一緒に店を始めた母親は、鶴岡で食材を吟味して発送してくれる。農家直送のコメのほか、しょうゆ、みそ、塩はいずれも地元産。開店した理由の一つは、荒井さん自身が食べ慣れた食材が恋しいからで、「みんなおいしい。食べてもらえば分かる」と力説する。
店は閑静な住宅街の一角。2018年7月の開店当時は、店内で庄内の郷土料理、家庭料理、日本酒を提供していた。山形出身者が来店して古里の話で盛り上がったり、店をきっかけに山形を旅行した人もいるという。コロナ禍による一時休業を経て、現在は弁当販売に切り替えた。荒井さんは「ありがたいことに、弁当が定着して配達もしている。店内飲食は時期を見て再開したい」と話していた。
【メモ】ふるさとごはん まめの
さいたま市南区別所2の16の2(電話048・708・1728)。営業時間は午前11時半~午後2時、弁当が売り切れ次第終了。日・水曜・祝日定休。要予約の「おまかせ弁当」(税込み1200円)、庄内豚を使用した角煮弁当(同1350円)、コメや麦切り、イチジクの甘露煮など山形産の食材も販売している。