<ジモトピア>四季の移ろい告げる道…漫画に盆栽、レトロ喫茶店も 「大宮盆栽だー!!」で一服はいかが?
■北区・盆栽村周辺
東武アーバンパークライン大宮公園駅の北側、盆栽園が集まるこの一帯は盆栽村と呼ばれる。大正期の関東大震災後、東京の盆栽業者らが移り住んだのがきっかけで形成された。当時の景観を引き継ぎ、四季折々の風情ある雰囲気を今もなお醸し出している。
駅周辺の商店街を通りながら、途中で石畳の「かえで通り」に吸い込まれた。両側に植えられた木々や緑が印象的。周辺は、碁盤の目のように区画され、道幅は当時のままだそう。「かえで」や「けやき」「もみじ」など、植えられた木の名前が付いており、「盆栽四季の道」と呼ばれている。
趣を味わいながら歩くと、通り沿いに「さいたま市立漫画会館」がある。日本初の職業漫画家とされる北沢楽天晩年の住居跡に建てられた、日本初の漫画に関する公立美術館。楽天の作品のほか、企画展なども楽しめる。
さらに通りを進むと、周辺は、閑静な住宅街となり、それぞれの庭に植木や盆栽などが置かれていたりする。町中が緑の庭園といった雰囲気だ。通り沿いに盆栽園を見つけ、ふらっと立ち寄りながら「しで通り」へ。途中、左折し住宅街を進んでいくと、「大宮盆栽美術館」が見えてくる。
館内に入ると、まずはパネルで盆栽の見方や種類、文化などを分かりやすく学ぶことができる。盆栽や盆器、水石、座敷飾りを鑑賞したら、次は庭園へ。大小さまざまな種類の盆栽が約60種以上。好みの盆栽を見つけたら、正面から見たり下から見たり。さまざまな表情を見せてくれるのが面白い。歩き疲れたので、ミュージアムショップで炭酸飲料の「大宮盆栽だー!!」(税込み203円)で喉を潤す。
来た道を戻りながら、目玉焼きが乗ったナポリタンセットやクリームソーダなどがどこか懐かしい「カフェますや」へ立ち寄る。小腹を満たしたら店内で焼き上げたほんのりした甘さとほどよいサックリ感がクセになる「盆栽村のハッピースコーン」(3個入り税込み300円)をお土産に購入し大宮公園駅へ戻る。
【メモ】さいたま市立漫画会館(電話048・663・1541)。午前9時~午後4時半。入館無料。月曜休館(休日は開館、翌平日が休館)▽大宮盆栽美術館(電話048・780・2091)3~10月=午前9時~午後4時半(11~2月は午後4時)。木曜休館(祝日の場合は開館)。一般310円、高大生・65歳以上150円、小中学生100円。