部活後の帰り道、人命救助にダッシュ…チームワークで女性の自殺止める 西武台高ラグビー部員5人に感謝状
歩道橋から道路に飛び降り、自殺を図ろうとした高齢者を見つけ、思いとどまらせた上、110番通報するなど安全を確保し、人命救助に貢献したとして、新座署は21日、新座市中野の私立「西武台高校」(深沢一博校長、生徒数約1500人)の男子生徒5人に対して、感謝状を贈呈した。5人はいずれも同校ラグビー部の部員で、「人の役に立ちたいと思っており、その一歩になった」「今後もどんどん良いことをしていきたい」と異口同音に人助けの喜びを実感していた。
感謝状を授与されたのは、いずれも同校3年の工藤諒真(あきま)さんと菊池晃成さん、井上海凛(かいり)さん、堀江圭吾さん、同2年の伊藤耕一郎さんの5人。
同署と5人によると、9月10日午後7時ごろ、同校の東側に隣接する国道463号に架かる歩道橋(高さ約5メートル)の中央付近で、志木市の80代の無職女性が柵に足をかけているのを自転車で帰宅しようとしていた5人が発見。工藤さんが真っ先に階段を駆け登り、「大丈夫ですか」と声をかけたところ、女性は「ごめんなさい」と数回繰り返し、飛び降りるのを諦めた。
この間、女性を待ち受けるため、堀江さんが歩道橋下で待機。ほかの3人は工藤さんの後を追って女性の所に駆け付け、工藤さんが110番通報。5人は警察官が到着するまで女性の安全を確保し、その後帰宅した。
この日、5人は同校の文化祭に参加。その後、ラグビー部の練習を行った。午後7時ごろ、自転車で帰宅するため、国道脇の同校敷地南側にある駐輪場に出向いたところ、駐輪場から約30メートル離れた歩道橋に女性がいるのを見つけたという。
工藤さんは中学生時代に自宅近くの火事で自ら消火に当たったり、下半身を露出した男を追跡し取り押さえ、消防と警察からそれぞれ感謝状を授与されている。3度目の感謝状に「日頃から人から感謝されるような行動をするように教えられており、それができて良かった」と充足感に満ちていた。