埼玉新聞

 

湿度に注目、熱中症予防のコツは 気象予報士・平井信行さん、蒸し暑さと熱中症の関係指摘 さいたまで講演

  • 扇子をあおぎ、熱中症対策として小まめに休憩を取って涼むことの大切さを強調した平井さん=29日午後、さいたま市浦和区の浦和コルソ

 さいたま市浦和区の浦和コルソホールで5月29日、熱中症対策セミナー(埼玉産業保健総合支援センターなど主催)が行われ、NHKでお馴染みの気象予報士、平井信行さんが講演。平井さんは、蒸し暑さと熱中症の深い関係を指摘した上で、「気温の高さだけでなく、私たちの身体に大きく影響するのは湿度。熱中症注意喚起の基準となる『暑さ指数』の7割を占める湿度に、ぜひ注目してほしい」と予防のコツを伝授した。

 「気象予報士から見た熱中症対策」をテーマに講演した平井さんは、同じ気温でも湿度が15%高いだけで、熱中症搬送者が倍増したデータなどを紹介。「暑ければ私たちは汗をかく。でも湿気が多く蒸し暑いと蒸発できずに熱が身体にこもり、熱中症になる」と発症の仕組みを説明した。

 対策として、気温と湿度に日々注意を続ける必要性を強調。平井さん自身も現在、春日部市の自宅に、目線の高さに乾湿計を設置していることを打ち明けた。また、東京都の新宿駅南口で25度だった気温が、近くの同駅近くの公園は20度だったという自身の調査結果を示し、都市化による気温上昇を緩和するため、草木などの緑と、水の大切さを訴えていた。

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