公衆トイレを民間の会社が維持管理、新座市がネーミングライツ事業 話題性あるトイレをリニューアル
2019/06/02/00:00
新座市は、JR武蔵野線「新座駅」(新座市野火止5丁目)前の公衆トイレをめぐり、越谷市のトイレメンテナンス会社「CSリレーションズ」と愛称の命名権を譲渡する対価として施設の維持費などを負担してもらうネーミングライツ事業の契約を行った。市内でトイレをめぐるネーミングライツ事業は初めて。
同トイレは床面積約30平方メートル。02年4月に設置された。ネーミングライツ事業の契約内容は18年度から3年間、同トイレの毎月1回の定期清掃と施設のLED照明の設置(総額費用約205万円)を同社が負担し、愛称を「新座ALLーWINトイレ」と命名した。
市は公募により、18年3月に同社と同事業を締結。その後、同社は同トイレの老朽化による改修工事を請け負ったことから、今年3月の改修工事に合わせて、市内の十文字学園女子大に壁画の制作を依頼。同大学生がトレイの外壁に人魚やイルカなどをペイントした。
また、同社などの呼びかけにより、地元のふるさとにいざ商店会など16業者から計約200万円の寄付金が寄せられたことから、市はトイレ整備費に充てるとともに、同駅前ロータリーに市の情報を放映する電子掲示版「デジタルサイネージ」を新設した。
同社は「お客様と自社と社会に貢献する仕事が弊社の企業理念。地域の関係者が一体となり話題性のあるトイレをリニューアルしたいという思いで取り組んでおり、愛称は自社の広告的要素を排除し、皆に喜んでもらえるという思いを込めて命名しました」と話している。