浦和レッズ断念、埼スタACL決勝は不可 工事延期を求めたサポ クラブで払える損害賠償を大幅超…おわび
サッカーJ1浦和は10日、来年2月に控えたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝戦の埼玉スタジアム(さいたま市緑区)での開催を断念すると公式ホームページ(HP)で発表した。11月中旬から4月中旬まで予定されている芝生の張り替え工事のため。ホームスタジアムでの開催を望む一部のサポーターからは、工事の延期などを求める声が挙がっていた。今後はアジアサッカー連盟に開催日程の変更を求め、交渉するとしている。
埼玉県公園スタジアム課によると、今年4月に浦和を含む工事関係者と工事期間について合意。県は、10月になって浦和から工事期間延期の要望を受けたものの、芝生育成が延長できないことや、資機材や作業員の手配が7割ほど完了している状況であることを確認した。同月13日、延期は可能だが、要望通り工事期間を変更する場合、芝生育成費用約1億5千万円のほか、工事中断や契約解除による損害賠償が生じることなど浦和に回答した。
浦和は10日、「クラブで負担できる範囲を大幅に超えていることなどから、実現は経営的に不可能であると判断した」と説明。クラブは9月時点で工事延期や工期短縮を「県などと調整中」と発表しており、「知事ならびに県、日本サッカー協会および関係各所の皆さまに混乱とご迷惑をおかけいたしました」とわびた。
■できる限り協力する/大野元裕知事の話
芝生張り替えの工事期間は、本年4月の時点で浦和レッズと合意していたが、10月4日、浦和レッズから工事期間の変更を伴う来年2月の埼玉スタジアム利用についてご要望を頂いた。これに対し、13日付でご要望にお応えできるが、その場合には工事期間の変更に伴う費用負担や芝生のコンディション低下により発生するリスクなどに対応いただく必要がある旨書面で回答し、レッズからの返信をお待ちしていた。本日、浦和レッズが「芝改修工事の工期変更について断念することを決断した」と発表したことを報道により承知した。このため、予定通り今月から工事を実施する。今後とも県は、浦和レッズからの相談に応じるとともに、レッズをはじめとする選手の皆さんに最大限のパフォーマンスを発揮してもらえるよう、できる限りの協力をさせていただく。