そごう・西武売却…さいたまでも衝撃 市長「非常に重要な商業施設」 存続望む一方「時代の流れ」の声も
セブン&アイ・ホールディングスは11日、傘下の百貨店そごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに来年2月1日に売却すると発表した。売却額は2500億円を基準とする。フォートレスは家電量販店ヨドバシカメラを展開するヨドバシホールディングスをビジネスパートナーに迎えるとともに、業務効率化やコスト削減を進め、業績不振が続くそごう・西武の再建を目指す。
セブンは2006年にそごう・西武を子会社化して再建を目指してきたが、インターネット通販の台頭や新型コロナウイルス禍に伴う個人消費の落ち込みなどで、業績を回復させることができなかった。
売却額はそごう・西武が抱える有利子負債などを差し引いて今後、確定させる。そごう・西武の子会社で生活雑貨を手がけるロフトは売却せずにグループに残す。
■重要な商業施設
大宮駅西口には大型商業施設として長く親しまれてきた「そごう大宮店」(さいたま市大宮区桜木町)がある。
同店に時々買い物に来るという60代女性は「時代の流れで仕方ない部分もあるのでは。これまでも会社が変わったりしたが、店は残ってきた。なくならなければ良いと思う」。70代女性は「1カ所でいろいろそろうので、お土産や洋服などを買いたいと思ったらここに来る。どういう形になるか分からないが、やっぱり良い物を置かないとお客さんは離れていくのでは」と語った。
さいたま市の清水勇人市長は11日の定例会見で、売却決定の報道について、「市民はもちろん、近隣住民からも長く親しまれているデパート。総合的な売り場を有し、ブランド力の高い店舗を展開してきたので、状況が少し変わってくる可能性はある。市は十分な情報を把握していないが、非常に重要な商業施設と認識しており、強い関心を持って動向を注視していきたい」と述べた。