埼玉新聞

 

背番号22、最後の躍動 浦和・阿部勇樹が引退試合 浦和OBも多数集結 千葉ユースと浦和ユースの試合も

  • 引退試合を終え、ゴール裏でサポーターの声援に応える浦和の阿部勇樹=12日午後、埼玉スタジアム

 昨季まで浦和に所属した阿部勇樹は12日、埼玉スタジアムで引退試合を行い、2万4714人が最後の雄姿を見守った。

 浦和にゆかりのある選手たちが集まった浦和アジアンキングスと、阿部と親交のある選手たちで編成されたジェフジャパンフレンズが対戦。阿部は前後半で両チームでプレー。試合を通して3ゴールを挙げた。試合は8―2で浦和アジアンキングスが勝利した。

 試合前には現在阿部がコーチを務める浦和ユースと、かつて自身が在籍した千葉ユースの試合も行われた。トークショーには浦和OBの坪井、岡野らの他に、興梠、柏木も登場しスタンドのファンを楽しませた。

■花道飾った家族、盟友 スタンド沸かせる

 区切りの引退試合を終えた阿部は「久しぶりに声援を聞いてうれしかった。もうプレーする姿をピッチでは見せられないが、違った姿を見せられるよう頑張っていきたい」。やり切った表情で力強く語った。

 ゴール裏からは「阿部勇樹オーオー!阿部勇樹オレ!」など、懐かしいチャントが聞こえ、この日の主役である背番号22を強烈にサポートした。

 阿部と共に日本サッカーの一時代を築いたスター選手たちが、花道を飾った。浦和アジアンキングスには、闘莉王、鈴木啓太らをはじめ、槙野智章、興梠慎三ら現役選手も顔をそろえた。岡野雅行、坪井慶介が右サイドを駆け上がった際には、昔と変わらぬ大きな拍手が送られるなど試合を盛り上げた。

 阿部が出場した2004年のアテネ五輪で監督を務めた山本昌邦監督が率いるジェフジャパンフレンズの一員としても出場。今季で現役引退を発表した中村俊輔らとプレーし、2ゴールと躍動。スタンドのファン・サポーターを沸かせた。

 後半28分には、阿部の息子の湧心さんと、涼雅さんがピッチへ投入された。阿部は涼雅さんのゴールをアシストすると、湧心さんからのクロスを頭で合わせて最後のゴールを決めた。家族から花束を渡された際には、涙を見せピッチに別れを告げた。

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