クリテリウムPR幕など新たなグッズに バッグやアクセサリーに加工、販売 さいたま市、障害者施設と協力
さいたま市は、市内障害者施設や公益社団法人「埼玉デザイン協議会」(SADECO、川口市)と協力して、今月6日に開催された「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」の懸垂幕などをアップサイクルした商品をネット販売する。自転車レースに関連付け、メッセンジャーバッグやサイクルバッグをデザイン。障害者施設が作製を担当し、施設の仕事を知る機会になることも期待される。
廃棄物に新しい価値を加え再利用するアップサイクル。SADECOは2014年から、アップサイクルの企画を推進している。さいたま市制誕生20周年の大型フラッグでも取り入れられ、ペンケースやポシェットが販売された。
市障害者総合支援センターによると、アップサイクルされるのは、JRさいたま新都心駅前に掲出されていた懸垂幕(縦6・8メートル、横0・95メートル)3枚など計31枚の掲示物。
障害者施設「やどかりの里 すてあーず」「埼玉聴覚障害者福祉会 春里どんぐりの家」「あるかでぃあ 多機能型事業所ぱらだいすかふぇ」(いずれも見沼区)の利用者らが、作業を分担して商品を作製する。クリテリウムが開催された後、懸垂幕などの掲示物は各施設に納入された。
SADECOのデザイナー中島保久さん(45)は、メッセンジャーバッグとフェスティバルピアス・イヤリングをデザインした。障害者施設の担当者らと対話しながら、デザインを試行錯誤したという。デザイン性を重視するとともに、特殊な素材のため、利用者らがミシンやはさみを使って、作れるかも考えた。「自転車の好きな人ばかりでなく、多くの人に買ってもらい、障害者施設の取り組みを知ってほしい」と話していた。
SADECOが運営するオンラインストア「サデコMONOがたり」で販売する。メッセンジャーバッグ(1万5千円)は予約完売した。サイクルバッグ(3千円)も予約完売して追加生産する。ペンケース(1500円)、フェスティバルピアス・イヤリング2個セット(1200円=いずれも税込み、送料込み)などの予約を受け付けている。