埼玉新聞

 

埼玉でも珍しい完全オンライン通信制高校、来春開校へ 生徒個人の習熟度にマッチ、部活はバーチャル空間

  • 完全オンラインの広域通信制高校「瑞穂MSC高等学校」のパンフレット表紙(医学アカデミー提供)

 薬剤師国家試験対策予備校の「薬学ゼミナール」や理学療法士を養成する専門学校などを運営する医学アカデミー(本部・川越市)は、来年4月に完全オンライン制の広域通信制高校「瑞穂MSC高等学校」を開校する(11月現在、設置認可申請中)。医学アカデミーの穂坂邦夫理事長は「周囲も自分自身でさえも気付いていない『生徒の個性と才能を開花させたい』という思いをもって開校する」と力を込める。

 同校は「個性豊かな人材を育成し生徒の希望あふれる未来を創造」を理念に開校する。オンラインの通信制高校だからこそ実現可能な生徒一人一人の習熟度に合わせた学習や興味関心を持つ分野の学習に取り組むことができる環境を用意する。

 基礎学習は、個別最適な学びができるよう人工知能(AI)を活用したパーソナライズ学習システムを導入。入学後のテスト結果を踏まえて、教職員と立てた計画に沿って、自分のレベルに合った学習を進め、つまずきをAIでチェックしていく。

 生徒の視野を広げるためのプログラムも取りそろえる。IT系、AI系、ビジネス・経営系、一般教養系、語学系に加えて医療系の動画コンテンツを用意。生徒や保護者はいつでも自由に視聴できる。医学分野への進学を視野に入れた支援体制も整える。

 完全オンライン制によって懸念される学校の職員や生徒同士のコミュニケーションの場のフォロー体制も万全だ。

 生徒1人に対して、担任・学習コーチ・メンタルサポート・学習アドバイザー・システムサポート・キャリアサポートの6分野の専門家が連携し対応に当たる。メンタルサポートを担当する職員は文部科学省が後援する「こころ検定」3級以上を習得しており、生徒だけでなく保護者も相談をすることができる。

 生徒間の交流も図れるようホームルームや各種イベント、部活などはアバターを使ってバーチャル空間で実施。年に5日間リアルで実施するスクーリングでは、1・3年生は北海道、東京、埼玉、愛知、兵庫、沖縄の6カ所の同校の拠点のうち、自分の住む近くの会場で、2年生は全員が沖縄県の石垣島本校に集い、自然や地域住民とも触れ合うアクティブラーニングを行う。

 医学アカデミーの穂坂理事長は、元志木市長。市長在任中には教育の充実に力を入れた。初年度の募集定員を460人としており、穗坂理事長は「細かい教育手法を取り、生徒と多様な夢を実現させるための環境を用意しているからこそ、障害のある生徒やヤングケアラーとして努力している生徒も積極的に受け入れたい」と話している。

 詳しくは、「瑞穂MSC高等学校」ホームページへ。

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