埼玉新聞

 

<新型コロナ>医療機関に財政支援へ 「第7波」での現場の声受け、和光市 埼玉で初「市民守る事業に」

  • 和光市役所=和光市広沢

 和光市は22日、新型コロナウイルスの感染「第7波」で発熱外来などが逼迫(ひっぱく)したことを踏まえ、新型コロナとインフルエンザの治療などを行っている市内の県指定診療・検査医療機関などを対象に5万~最大70万円の支援金を交付すると発表した。新型コロナの診療や検査を実施する医療機関の物資や人員不足を巡る財政負担を軽減し、医療体制を維持するのが狙い。支援金約580万円を盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案を24日開会の市議会12月定例会に提案する。

 市によると、コロナ対策の支援を目的に、診療などを行う医療機関に支援金を支給する事業は栃木県佐野市で実施されているが、県内では初めてという。

 支援事業は医療機関の申請に基づいて、本年度中に各医療機関に対して1回実施する。対象は県指定の「診療・検査医療機関」11施設は各20万円。同機関のうち、かかりつけの患者以外も受け入れている場合と15歳未満の子どもを受け入れている場合は各10万円が加算される。

 「地域外来・検査センター」のPCRや抗原検査事業に協力している医療機関は5万円、同検査を公費負担で実施している医療機関は10万~15万円、保健所の連絡を受けて往診対応している医療機関は10万円の支給などを予定する。

 財源の一部は、20年に新型コロナ対策のため市民らから募った「まちづくり寄付金」の86万3千円を活用する。

 市健康保険医療課は「第7波では必要な物資が不足したり、人員の確保に支障が生じた声が医療機関から多く寄せられたことから、佐野市を参考に立案した。この事業が市民を守り、支援することにつながると思う」と話している。

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