埼玉新聞

 

一人の時間をぜいたくに…完全個室のフィンランド式サウナ 温度の選択可、ロウリュも水風呂も独り占め

  • 「自分専用にカスタマイズして楽しんでほしい」と個室サウナを案内する田中翔太さん=さいたま市浦和区仲町の「UUSIN by NEXT SAUNA」

 根強いサウナブームを背景に今年、県内初とみられる完全個室型のフィンランド式サウナが浦和に誕生した。ロイヤルパインズホテル浦和(さいたま市浦和区仲町)の地下1階にある「UUSIN by NEXT SAUNA(ウーシン・バイ・ネクスト・サウナ)」。「自分だけの空間をつくりたい」をコンセプトに、30~40代の働き盛り世代を中心に人気を集めている。他の客と接触せずコロナ禍の感染リスクが低いことも利点で、最高責任者の田中翔太さん(28)は、「一人の時間をぜいたくに使ってほしい」とアピールする。

 ネクストサウナは6月にオープン。「エコノミー」「スタンダード」「VIP」の3タイプ計4部屋があり、サウナ室の温度を90、100、110度の中から指定できるのが特徴。スタンダード以上は浴槽が付いており、休憩スペースで寝そべることもできる。サウナ石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」用に、シラカバ、ユーカリなど常時3種のアロマ水を用意。男性向け、女性向けそれぞれに豊富なアメニティーを置く。

 客層は約7割が男性。30~40代が多く、平日の夕方以降は仕事帰りとみられるスーツ姿の人も。全体の6~7割はリピーターで、最初は「(価格が)高い」と言われることもあるというが、「一度使うと、すごく良かったと言ってもらえる。満足してもらっているのではないか」と自信を持つ。

 田中さんはもともとサウナ好きで、各地のサウナや温浴施設を回るなどしていた。中には客が多くて落ち着けなかったり、好きな時にサウナ室や水風呂に入れないことも。そんな経験から、「サウナも水風呂も休憩も全て自分のタイミングで利用できないか」と個室サウナの事業化を目指した。「UUSIN」はフィンランド語で「最新」。「NEXT」は「次の」のほかに「隣の」という意味があり、「人々の生活の隣に寄り添えるような、心身のより所になるような」との思いを込めた。

 日本サウナ・スパ協会(東京都千代田区)によると、個室サウナが目立ち始めたのは、コロナ禍以前の4年ほど前から。「ソロサウナ」や「おひとりさま」などの言葉とともに、「混むのを嫌がる人が個室に行くようになった。予約制で必ず入れるし、自分でロウリュをして楽しみながら入れる」と、求められる背景を指摘する。料金は4、5千円からと通常のサウナより高いが、「所得や物価の高い都心部では一つのモデルケースとして成り立つ」とみている。

 田中さんによると、都内では今年になって出店が相次ぎ、すでに「飽和状態」。その中で以前から縁のある浦和に目を付け、有名ホテル併設という立地も生かし、内装や浴槽、グッズなど細部にまでこだわったサービスを展開。「サウナで地域を活性化させたい。浦和の経済を盛り上げたい」と意気込んでいる。

 時間・料金は部屋ごとに70~120分で、4400円~1万6500円。ホームページから完全予約制で、クレジットカード事前決済のみ。

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