埼玉新聞

 

11万円の“すし店”やゴルフ、会社と談合か…市職員逮捕 前職の知り合いがいる会社、時効で立件なし

  • 三郷市水道部を家宅捜索する県警捜査員=5日午後6時ごろ、三郷市茂田井

 2018年8月、三郷市が発注した水道工事1件の一般競争入札で予定価格情報を業者に漏らしたとして、県警捜査2課と吉川署の特別捜査班は5日、官製談合防止法違反と加重収賄の疑いで、三郷市水道部施設課主幹兼施設係長の宮城真司容疑者(51)=三郷市泉2丁目=を逮捕した。

 逮捕容疑は18年8月6日に三郷市が執行した水道関連工事の制限付き一般競争入札について、宮城容疑者が県内に営業所を持つ水道関連工事会社の社員に予定工事価格に近い金額を教えて入札、落札させ、その見返りとして、同社員から前後7回にわたり、計約11万円相当の飲食接待などを受けた疑い。会社側の贈賄容疑は時効が成立しており、立件されなかった。県警は共犯事件で捜査に支障があるとして、認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、対象となった入札は三郷市の「北部第二配水場機械設備更新等工事」(電子入札)。同社を含む4社が参加し、同社が4億3800万円で落札した。予定工事価格は4億3996万円だった(いずれも税別)。市によると、同社以外の3社の入札額はいずれも予定価格を上回っていた。

 宮城容疑者は14年4月に三郷市職員に中途採用され、18年4月から今年3月まで同部施設課施設係長を務め、4月から現職。犯行時、宮城容疑者は係の事務を掌握し、職員を指揮監督するとともに浄水場や配水場の維持管理、企画設計や施工に関する職務に従事していて、予定工事価格を知り得る立場だった。価格を教えた同社社員は複数人いたとみられ、うち1人は前職からの知り合いだったという。県警は宮城容疑者と業者との癒着に関する情報を入手して内偵捜査を進めていた。接待はいずれも18年中で、すし店ほか5店舗とゴルフも含まれ、飲食代やプレー代を払ってもらっていた。

 県警は5日夜、三郷市役所総合本庁と水道部が入る建物を家宅捜索した。押収物などを精査して、他に金品の享受がなかったかを含め、余罪について慎重に調べる。

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