埼玉新聞

 

埼玉初!中学校区で小中一貫教育 統廃合なし、各校区でカリキュラム作成 2025年度から志木市

  • 志木市役所=志木市中宗岡

 志木市は現在の小、中学校を統廃合せずに、中学校区ごとに9年間の教育カリキュラムなどを実施する「小中一貫教育基本方針」を策定した。小中学校の教諭らが義務教育の全体像を共有し、9年間のカリキュラムに基づき、児童・生徒の切れ目ない育成に取り組もうと、2025年度から導入する。市教委によると、校舎など学校の統廃合を行わず、中学校区ごとに小中一貫教育を実施するのは県内で初めてという。

 具体的には中学校4校と小学校8校を、▽志木中学校区(志木中、志木小、志木第三小)▽志木第二中学校区(志木第二中、志木第二小、志木第四小)▽宗岡中学校区(宗岡中、宗岡第二小、宗岡第四小)▽宗岡第二中学校区(宗岡第二中、宗岡小、宗岡第三小)の四つの中学校区に分類する。

 各中学校区は9年間の教育カリキュラムを作成。志木中と宗岡中、宗岡第二中の3校区は既存の枠組みで取り組む。志木第二中校区はすでに中学教諭が小学校で授業を行うなど相互交流を図っていることから、1人の校長の下、教職員組織を編成し、9年生の「義務教育学校」として一貫教育を推進する。

 市は小、中学校の児童生徒数の減少傾向が見られず、校舎などは耐震補強が行われ、当面大規模改修の必要性がないことなどから、統廃合ではなく、中学校区ごとの小、中一貫教育に踏み切った。

 小、中一貫教育について、市教委は「9年間の学びと連続した学習指導により学力が向上し、(中学進学時に環境の変化になじめず不登校が増える)中1ギャップの予防と解消が図られ、学校や学年を超えた子どもたちの交流や伝統行事など地域社会の体験を通じて、豊かな人間性と社会性を育成できる」と教育効果に期待を寄せている。

ツイート シェア シェア